ギフト需要の対策は、航空券の予約と同じ?
清水です。前々回は、検索窓に表示される「サジェストワード」をチェックしながら、ECサイトの対策のヒントをお伝えしましたが、今回は、毎月定期的に訪れる催事などギフト需要の対策について、筆者が実際にアドバイスをし、結果を出したことのある考え方をお伝えさせていただきます。
ギフト需要は、毎月誰かの誕生日をお祝いするプレゼントもあれば、「バレンタイン」「ホワイトデー」「母の日」「父の日」「敬老の日」のような決まった日にお祝いを届けるプレゼント、「お中元」や「お歳暮」など、地域によって時期が異なる贈答品など、様々なケースがあります。
インターネットが普及し、ECが生活の一部になった今、このようなギフト需要に共通するのは、ある特定の日、ないし時期までに商品をお届けしたいというニーズが存在するということ、です。
さらに、商品を受け取った方が、お礼に贈り返すというニーズも存在しますが、今回は、前者の期限までに商品を届けたいというケースについて考えたいと思います。
このような特定の期限までにギフトで商品を贈りたい方は、毎年その時期になると、昨年は、何を贈ったかを思い出しながら、期日に間に合うよう商品を選定することでしょう。贈る相手に見合った「予算」や「お酒」「ハム」「ケーキ」「タオル」など、様々なジャンルから商品を選ばれるのではないでしょうか。
実は、この行為をまったく別の行為に置き換えて考えてみると、意外な対策のヒントが見えてきます。
それは、「航空券の予約」です。
例えば、夏休みに家族で沖縄に旅行する場合や、仕事で北海道に出張する場合、ANAやJAL、スカイマーク、もしくは、AIRDO、スターフライヤーなど、様々な航空会社をサイトで検索し、予約されると思います。
どの航空会社も通常料金に加え、早く予約すると料金が値引きされる割引価格や、快適性を高めたビジネスクラスなど、数種類のプランを提供しています。
できるだけリーズナブルな価格で航空券を予約したい方は、1週間以上前からサイトを調べ、予約が完了すると、予約詳細画面を印刷したり、手帳やGoogleカレンダーなどの予定に記録することでしょう。ところがその後、いままでと変わらぬ日常の生活を送り、その日が近づくまでは、忘れてしまうこともあるでしょう。
もちろん、急な出張などで、前日や当日に、電話や空港のカウンターで手配される方もいらっしゃるとは思います。しかし、ほとんどの方は、予定が決まったら早い段階でこのような行動を取られると思います。
ギフト需要もこれと同じ行動を取られていると考えてみると、ECサイトとして、どのような対策ができるでしょうか?
ポイントは、「早く手配して、忘れたい」ということ。
前々回のコラムでも紹介しました「母の日」のキーワードに、5月のピークを迎える数ヶ月前からサジェストワードに表示される「早割」。航空会社と同じような「早割」キャンペーンを実施されるECサイトが多く見受けられます。お客様に早い段階で商品を選定してもらい、注文を確定してもらうには有効なキャンペーンと言えるでしょう。
「早割」、すなわち「値引き」ができない方にも「早期予約注文キャンペーン」といった方法で価格を変えずに、実現する方法はあります。例えば、早期注文限定の商品を提案する、商品を増量する、選べるラッピングやメッセージカードの種類を増やすなど、です。他のECサイトを参考に、検討してみてはいかがでしょうか。
実際に、私自身が提案して結果が出た方法では、「母の日」での「プリザーブドフラワー」の例があります。具体的には、早期注文の段階から「母の日」が近づくにつれて、選べる商品数を制限していくことです。早期に注文した商品は早い段階から作っておき、「母の日」が近づいて注文の商品もある制限した商品を作り込んでおくことで、最大限まで注文を受付けることができます。2月に月商30万だったショップが翌月に200万、4月には、月商1,000万まで伸びた事例もあります。
また、「母の日」や「父の日」の当日が過ぎると、突然現れるサジェストワードが「遅れてごめんね」。
実際に検索されているのか謎ではありますが、大手モールも特集ページを修正し、「遅れてごめんね特集」に切り替えます。そのような需要に対応するショップも多くなっているので、余裕のあるECサイトは、対応されることをオススメします。
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