パーソナライズでCVRが171%に! 急成長を続ける「cotta」が語る、検索とパートナー選定の重要性
「cotta」について教えてください。
黒須氏:「cotta」は日本最大級のお菓子パン作りサイトです。お菓子パン作りに関するすべてを提供する、というコンセプトのもと、サイトを運営しています。お客様は法人のビジネス利用の方から、趣味、日々のおやつの利用まで様々です。商品点数は3万以上を取り揃えているのですが、その半分はプライベートブランド(以下PB)商品。これは自分たちで企画から製造までして販売しているもので、PB商品の比率は年々上がっています。
価値作りを追求していたら、PB比率が上がっていました。PB商品はお客様が初回購入で選んでいただける商品としても比率が高いですし、繰り返し「cotta」を訪れる理由になっています。独自の価値提供によって他社さんと差別化していくという意味でも、力を入れている部分ですね。
ここ1年で、ユーザー数が急激に伸びているとお伺いしています。
黒須氏:そうですね、一番はテレビCMの効果が大きいと思います。全国でテレビCMを流し始めてからは、会員数が一気に増えました。特に昨年(2020年)の夏は「パン作りキット」のプレゼントキャンペーンを実施して、30万人ほど会員数が増えました。
パン作りブームのお陰もあって、CMとは関係なくテレビで取り上げて頂いたり、様々な要因が重なって、ここ1年で急激にユーザー数が伸びたと思います。
そんな中で、出てきた課題を教えてください。
黒須氏:検索システムの安定性と、ユーザーの利便性でしょうか。まずユーザーの利便性という点では、新規のユーザーと既存のユーザーでは求めているものが大きく違います。新規でも強い目的意識をもって訪れるユーザーさんは違うかもしれませんが、CMなどで「軽い興味」を持って訪問してきたユーザーさんは、既存客が求める「玄人向けのコンテンツや商品」はまだ求めていないんですよね。既存客向けの提案ばかりでは離反されてしまいますので、いかに喜んでいただける情報を提供するか、という点が悩ましいところでした。
もうひとつは、検索システムの安定性と運用の問題。ユーザーが急激に増えたということとも関連して、検索システムに頻繁に不具合が出て、お客様にご不便をお掛けすることがあったんです。安定したサービス提供は最低限のことですので、何とかしなければと思っていました。
同時に、先ほどお話した「ユーザーの利便性」というところにも影響するのですが、何か新しい機能を付けようとか改善したいと思った際に、すぐに動ける体制ではなかったんです。スピード感を持って対処しようと思っても、なかなか上手く進めないというのも課題でした。
積極的にCMを展開し、サイト来訪がどんどん増える中、いかにストレスなく買い物をしていただくか、という点は悩みでしたね。
システムは「導入して終わり」ではない、
だからこそ決め手は「パートナーとして長く付き合えるか」
そこで、検索エンジンの切り替えを検討したのですね。
黒須氏:ユーザーの利便性の観点からも、これからのシステムの継続した改善や安定性の点からも、検索エンジンの切り替えは必須でした。検索の精度はもちろんなのですが、ある程度利用者数が多いサービスで、抜群に安定性が良というのが必須条件です。
ユーザーの利便性に直接関係のある重要な機能なので、ベンダー選定においてはかなり色々調べましたね。自分で見て使って、本当にいいものかどうかを判断していきました。
そこで「goo Search Solution」を選ばれた、その決め手は何だったのでしょうか。
黒須氏:まず、AIを活用しているということ。「cotta」では商品点数が3万点、レシピも1万点のボリュームがあるため、人手でチューニングというのは現実的ではありません。商品もユーザーも、増えればそれだけ検索される条件は複雑になりますし、「自動的に改善していく」という点は選定の大きなポイントになりましたね。
もうひとつは、担当者とのコミュニケーションが円滑だったこと。これはリリース後にも感じていることですが、こちらの質問に対して的確に、かつタイムリーに回答いただけるので、コミュニケーションコストが大幅に減りました。以前は「機能改善したい」と思っても、あまり深く考えていない解決策が出てきていたというか……。gooさんの運用サポートは今も大変助かっています。ベンダー選定においても、こちらの質問に対して最もクリアに回答をいただけましたし。検索エンジンに限ったことではないのですが、システムは「導入して終わり」ではありません。だからこそ、継続した改善が見込めるか、パートナーとして長くお付き合いできるのかという点も選定の重要なポイントになりました。端的に言うと「人」ですね。
「AIによる精度改善」と「システム安定性」と「充実したサポート」。このすべてを兼ね備えたのは、gooしかありませんでした。
CTRが1.2倍に、表示速度は700msec改善。
ROIは確実に上がった
導入度、どのような効果があったか教えてください。
黒須氏:導入してから、検索結果の並び順は明確に変わりました。例えば、「cotta」では「レシピ検索」が初回購入における重要な接点になるのですが、このレシピ検索結果の並び順が変わったことでCTRが約1.2倍になっています。作りたいレシピに出会えることは、商品購入CVRに大きな影響を及ぼすので、これは大きいですね。導入前はレシピの「鮮度」を優先していたのですが、実際はユーザーさんが求めているのは「鮮度」というよりも「作りたくなる」レシピ。goo導入後は、「今、ユーザーが求めている情報」を最初に表示できるようになったので、ユーザーも楽しみながらレシピ検索できるようになったのではと感じています。また、能動的に情報を探す人はロイヤルカスタマー化しやすいので、LT V向上という意味でも検索結果の改善成果は大きいと思います。確実に投資対効果は良くなりましたね。
それに、冒頭で少しお話した通り、昨年(2020年)からテレビCMを放映している関係でユーザー数が大幅に増加しているのですが、商品検索からのCVRが上がっているんです。通常、ユーザーが増えるとCVRは下がる傾向にありますが、これが下がらないというのは凄いですね。
それに、表示のスピードも大幅に改善しました。APIの呼び出しだけで700msくらいは早くなったと思います。これはなかなかのインパクトで、DBやアプリのチューニングではなかなか出せないレベルです。
安定稼働の面でも満足しています。これもテレビCMの影響ですが、クエリがバーストすることがあるんですけど、全く問題なく検索が稼働しています。導入までいろいろ悩みましたが、目論見通りの結果が出て満足しています。
あとは、社内クレームが減りました。前は「何でこれ検索してこれ出るの?」という問い合わせが社内から結構あって、都度対応しなければならなかったんです。改めて考えてみたら、私の作業負荷が結構減って、他の施策に回す時間が出来ている気がします。
セグメントごとのパーソナライズが良い意味で想定外、CVRは171%に改善
今回、「パーソナライズ機能」も導入いただきましたが、パーソナライズ化による改善は実感できましたか?
黒須氏:パーソナライズと聞くと、普通は「個人に合わせたものを出す」と想像すると思うのですが、gooさんのはそうではなく、男女とか地域とか、属性ごとの最適化ですよね。これが正直以外で、最初はどうなるのかなと思っていました。
ですが蓋を開けてみると、パーソナライズの効果が大きくて驚きました。セグメント毎の出し分けで、これほど効果が出るものなのかと。「cotta」では一般の個人ユーザーと、法人ユーザーを業種(カフェ経営、菓子屋、パン屋等)ごとに10種ほどでパーソナライズをしているのですが、法人ユーザーのCVRが劇的に改善しました。具体的には171%CVRがアップしています。
今までは法人も個人も同じ検索結果を表示していたのですが、当然、個人と法人のニーズは異なります。小麦粉ひとつ取っても、種類もサイズも違います。個人が25kgの小麦粉を買うことはほとんどないでしょうし、逆にビジネス利用の方が250gのものを買うことも稀です。もっと言うと、ビジネス利用の中でもカフェ経営の方とパン屋さんでは求める商品が違います。
そういうセグメント毎のパーソナライズを行うことで、あらゆる属性のユーザーさんにとって、痒いところに手が届く検索になったと思っています。
導入効果を踏まえた、商品検索の重要性を教えてください。
黒須氏:検索を利用する人は、全体の中で大きな割合を占めるかというとそうではありません。例えばビギナーユーザーは、ほとんど検索を利用しない。ですが、ふんわりしたワードでも、自ら能動的に検索をするユーザーはCVRが大きく異なります。
そういう意味で、検索をした時に気になる商品やレシピが表示できるかどうか、は非常に重要です。検索して気になるものが出てくると、そこからお菓子作りの体験、買い物の体験に楽しさが生まれます。
「cotta」では、これからもいかに楽しんで買い物をして頂くのかを追求し、コンテンツはもちろん、システム的な部分でも満足いただけるサービスを提供していきたいと考えています。
ありがとうございました。
株式会社cottaについて
1998年、大分県津久見市にて 創業。小ロットの 乾燥剤 の通信 販売からスタートし、2006年には一般コンシ ューマーからプロまでをターゲットにしたECサイト「cotta」を開始。商品ラインナップを食材や 道具等にまで 広げ、 更にはお菓子・パン作りに関する様々なコンテンツ配信を積極的に行い、製菓製パン業界最大のプラットフォームを提供している。
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