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【チェックシート有】サイト内検索の選び方を解説!料金や機能だけではないベンダー選定のチェックポイント

2021年6月18日

「ECサイトで0件ヒットが頻発する」「サイト内検索の並び順が悪い」「検索エンジンの運用の業務負担が重くなってきた」

ECサイトを運営していて、こうした課題に直面したら、サイト内検索のリプレイスを検討すべきタイミングです。

サイト内検索の課題を根本的に解決するには、検索エンジンをリプレイスすることが有効です。ただし、事業規模やビジネスモデルに合った検索エンジンを選ばないと、リプレイスの効果を最大限に享受することはできません。導入後に「機能の使い勝手が悪い」「運用の手間が思った以上にかかる」「アクセスが急増すると表示速度が落ちる」といった問題が顕在化することもあります。

サイト内検索エンジンをリプレイスする際は、ベンダー各社の機能を深掘りして比較することが重要です。また、サイト内検索エンジンを導入した後の、運用の業務フローを見越してベンダーを選ぶことも大切です。

今回は、サイト内検索エンジンのベンダー選びで失敗しないためのチェックポイントを解説します。

※記事の最後にチェックシートがあるのでご活用ください

目次

サイト内検索エンジンの機能面でチェックすべき6つの比較軸

サイト内検索エンジンを選ぶ際は、必要な機能が「備わっているか・備わっていないか」を調べるだけでは不十分です。各社の機能に「どのような違いがあるのか」を理解しなくてはいけません。営業資料やWebサイトを見ただけでは、細かい機能の違いが分からない場合もあるため、検索エンジンベンダーに直接ヒアリングを行うと良いでしょう。

サイト内検索エンジンを選ぶ際に、特に確認すべき6つの比較軸について、チェックポイントを解説します。

比較軸① 表記ゆれ辞書の精度

サイト内検索エンジンに欠かせない機能の1つが「表記ゆれ辞書」です。辞書(データベース)に登録された表記ゆれのパターンが多いほど、表記ゆれを吸収できる範囲が広くなり、検索結果の精度が向上します。

検索エンジンベンダーが所持している「表記ゆれ辞書」のボリュームは、チェックすべきポイントです。

アップデートの方法は「手動対応」か「AIによる自動対応」か

「表記ゆれ辞書」は一度作って終わりではありません。サイト内検索エンジンを導入した後も「表記ゆれ辞書」をアップデートする必要があります。検索に使われるキーワードは絶えず新しいものが生まれますし、打ち間違えによる表記ゆれや、ユーザーの勘違いによるスペルミスも際限なく発生するからです。

表記ゆれ辞書をアップデートする方法は、主に2種類あります。「手動対応」と「AIによる自動対応」です。

手動でアップデートする場合、新しい表記ゆれが発生するたびにその単語を辞書に追加し、該当する商品が検索結果に表示されるようにします。

一方、AIを活用する方法では、ECサイトを訪れるユーザーの行動ログにもとづいて表記ゆれ辞書を自動的にアップデートすることができます。ユーザーが使った検索クエリと、その後の閲覧履歴などの行動ログをAIが分析し、「リンゴ」「りんご」「apple」「ringo」といった表記ゆれのパターンを学習して、検索結果を自動的に最適化します。

AIを活用すると表記ゆれ辞書が自動的にアップデートされるため、人手をかけずに検索結果の精度を高められることがメリットです。

比較軸② 検索結果の並び順(最適化のロジック)

検索結果の並び順を決めるロジックは、サイト内検索エンジンを選ぶ上で、非常に重要なポイントです。検索結果の並び順は、ECサイトの売り上げに大きく影響します。中には「表記ゆれに対応さえすれば、検索結果は良くなる」と考える方がいらっしゃいますが、実際は表記ゆれに対応するとこれまでヒットしなかった商品が検索結果に表示されることから、表示される検索結果が雑多に増え、検索結果の並び順を最適化しないと返ってユーザーが商品を探しにくくなる場合もあります。

検索結果の並び順を決めるロジックは、さまざまなものがありますが、主に次のような手法があります。すべてを網羅しているベンダーもあれば、一部のロジックのみを採用しているベンダーもありますので確認してください。

キーワードとのマッチ度

検索キーワードと商品マスターの関連性や、商品マスターに含まれるキーワードの使用頻度などにもとづき、キーワードと商品のマッチ度をスコアリングします。

カラムの重み付け

商品ごとの「タイトル」「商品説明文」「粗利」「発売からの日数」といったカラムごとに重み付け(スコアリング)を行い、スコアの高い商品を上位に表示します。

特定条件の商品の検索順位を意図的に上げたい場合は、その商品が上位表示されるようにカラムの重み付けを行います。カラムの重み付けを任意で行えるか否かも、サイト内検索エンジンを選ぶ際にチェックすべきポイントです。

行動ログにもとづく最適化

ECサイトの行動ログをAIが分析し、検索順位を最適化する方法もあります。ユーザーが使った検索キーワードと、そのユーザーが閲覧したり購入したりした商品を関連付けることで、キーワードごとに検索順位を最適化します。

この方法では、人間の恣意的な判断を排除し、データドリブンな運用が実現します。また、検索結果が自動的に最適化されるため、導入後の運用業務の負担が軽いこともメリットです。

比較軸③ サジェスト機能

検索窓に文字を入力した際、先読みでキーワードを表示するサジェスト機能(予測変換)は、サイト内検索の利便性を高めるために必要な機能です。最初の数文字を入力すれば、マッチしたキーワードの候補を出すだけでなく、そのワードとよく組み合わせられている「複数ワード」なども候補に出すことができるため、ユーザーの手間が省けるだけでなく「新しい気付き」を与えることができます。ただし、一言に「サジェスト」と言っても、様々な手法とサジェスト機能があるため、事前の確認が必要です。

サジェストの手法① 「前方一致」か「部分一致」か

入力した文字にマッチした候補を出すのがサジェストですが、出し方にも様々な手法があります。例えば入力したワードに対して、「前方一致」で当てるのか「部分一致」で当てるのか。ユーザーは当然入力したいワードを途中から入力することはありませんから、「前方一致」で当ててあげる方が親切な仕様と言えます。

サジェストの手法② 「キーワードランキング」か「ログ解析」か

通常、サジェストされるワードは何かしらの「上位」のものを出すことになりますが、「単純に検索されているキーワードのランキング」で出す方法と、「ログを解析して検索にヒットするものだけを出す」方法があります。前者はただ人気のワードを出しているため、サジェストされたワードをクリックした際、どのような検索結果が出るのか考慮していません。後者はサジェストされたワードをクリックした先の検索結果まで考慮して出すものとなりますから、一歩進んだサジェスト手法と言えます。

さまざまなサジェスト手法

サジェストはキーワード候補を出すだけでなく、様々な組み合わせで表現することができます。以下はその一例です。

  • 商品画像付きサジェスト
  • キーワード×関連カテゴリーサジェスト
  • キーワード×メーカーサジェスト
  • 商品名サジェスト(直接商品ページに遷移するリンクを表示)
  • 関連ページサジェスト(FAQ、コラム、レシピ等)
  • リアルタイム・トレンドサジェスト
  • 事業者のオススメしたいものサジェスト
  • 検索結果件数付サジェスト

本稿では細かな機能の解説まではしませんが、どの機能を実装するのかは、サイトの特性を考慮して決めるべきです。何故ならアパレルサイトと家電サイトでは、ユーザーが求めるサジェストの傾向が異なっているためです。

比較軸④ 並び替え機能(ソート)

並び替え機能(ソート)でチェックすべきポイントは、EC事業者側で任意のソート条件を設定できるか否かです。検索結果の1ページ目に表示される商品は、クリック率が高くなります。「おすすめ順」「売れ筋順」「新着順」「安い順」など、任意のソート条件を設定できると販売戦略の幅が広がります。

比較軸⑤ 絞り込み機能(ファセット)

検索結果の絞り込み条件を「ファセット」と呼びます。例えば、「ワンピース」で検索した際に、色、形、価格帯といった絞り込みをするための条件が「ファセット」です。

サイト内検索エンジンの大半は、ファセット機能を実装していますが、機能の詳細はベンダーごとに異なります。例えば、絞り込んだ後のヒット件数をあらかじめ表示する機能など、ユーザーの検索体験が高まるファセット機能を備えているベンダーを選ぶと良いでしょう。

比較軸⑥ 検索結果の表示スピード

検索結果が表示されるスピード(秒数)も、サイト内検索エンジンを選ぶ際の重要な判断基準です。

ページの表示スピードが遅いと、ユーザーの離脱を招きます。株式会社ジャストシステムが実施したユーザーアンケートによると、スマートフォンでECサイト・ ECアプリを利用したことがあるユーザーの約6割が、ページの応答速度が遅いために買い物をやめた経験があると回答しています。ページを離脱したときの平均的な秒数は「1秒未満」が2.9%、「1~2秒未満」は6.1%、「2~3秒未満」は9.0%、「3~5秒未満」は18.4%で、合計36.4%が5秒未満で離脱したと回答しました。サイト内検索エンジンを選ぶ際は、検索結果の表示スピードも確認しましょう。

出典:株式会社ジャストシステム 2020年1月22日プレスリリース「Eコマース&アプリコマース月次定点調査(2019年12月度)」より
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000425.000007597.html

ベンダー選定における機能以外の4つのチェックポイント

サイト内検索エンジンを選ぶ際の比較軸は、機能だけではありません。むしろ検索に限らず機能は「導入したあと」が重要となってきますので、検索エンジンベンダーのサポート体制、検索エンジンを導入した後の運用の手間、システムの安定稼働やセキュリティなども確認することが大切です。機能以外で押さえておくべき4つのチェックポイントを解説します。

チェックポイント1 要件定義の対応力

サイト内検索エンジンをリプレイスする際は、要件定義を事前にしっかり行うことが大切です。要件定義が不十分だと、開発に着手してから追加コストやスケジュールの遅延が発生する原因になります。リプレイスの目的や解決したい課題を踏まえ、丁寧に要件定義を行ってくれる検索エンジンベンダーを選びましょう。

チェックポイント2 システムの拡張性と将来性

サイト内検索に必要な機能やスペックは、ECサイトの取扱商品数やトラフィックの規模によって異なります。導入時点での売上高や取扱商品数に合わせてシステムを選ぶと、将来、事業が成長したときに使い勝手が悪くなる可能性もあります。拡張性があるサイト内検索エンジンを導入すると、成長フェーズに合わせて使い続けることができます。

また、音声検索やAIといった最先端の検索技術に理解があり、開発投資を積極的に行っている検索エンジンベンダーを選ぶことも重要です。AIの技術は日進月歩で、機能が数年で陳腐化することも少なくありません。技術開発への投資を惜しまず、新しい検索技術にキャッチアップしている検索エンジンベンダーを選ぶと、将来のトレンド変化にいち早く対応できるはずです。

チェックポイント3 安定稼動/セキュリティ

システムが安定的に稼働し、セキュリティが堅牢な検索エンジンを選ぶことも重要です。導入前のテスト運用でトラフィックの負荷テストや、アプリケーションの脆弱性テストなどを行っているベンダーを選ぶと安心です。

クラウド型のサイト内検索エンジンを使う場合は、サーバが冗長構成(複数のサーバで構成され、一部に不具合が起きてもシステムが止まらないこと)になっているかチェックしましょう。また、サーバを複数の事業者で共有している場合、他社のトラフィックの影響を受ける可能性があるため、サーバ環境も確認してください。

チェックポイント4 導入後の運用方法(AI型・手動型)

サイト内検索エンジンを選ぶ際は、導入後の運用も見据えて比較することが重要です。サイト内検索エンジンの検索精度を上げるには、導入後に表記ゆれ辞書を絶えずアップデートしたり、検索結果の並び順を最適化したりするなど、継続的な運用が不可欠です。

サイト内検索エンジンの運用は、AIを活用して自動的に行う方法と、手動で行う方法の2パターンがあります。

AI型

ECサイトを訪れるユーザーの行動ログをAIが学習し、表記ゆれ辞書のアップデートや、検索結果の並び順の最適化を自動的に行います。人間が手作業で運用する必要がないため、業務負担が軽く、商品数が多いECサイトや商品サイクルが早いECサイトでは特にメリットが大きくなります。ECサイトにおける検索は、ロングテール構成になっています。テール部分までカバーをすることで全体の底上げをできることが、AI活用の魅力と言えるでしょう。
一方でデータ量(ログ)が極端に少ないと検索精度が上がりにくいため、小規模なECサイトには不向きです。

手動型

表記ゆれ辞書のアップデートや、検索結果の並び順のチューニングを手作業で行います。目視でチューニングを行うため、意図した通りに検索順位を変えられる安心感はありますが、商品数が多いECサイトでは、手作業で運用を続けるのは現実的ではありません。特にロングテールのテール部分まで人手で運用するのは、あまり現実的とは言えないでしょう。結果的に運用が不十分になることに注意が必要です。

内製とアウトソーシングのメリット・デメリット

サイト内検索エンジンを内製化すると、システム開発の自由度が高く、運用の小回りが利くことがメリットです。一方、専門知識を持つエンジニアを雇用する必要があります。

検索エンジンベンダーの製品を導入するなど、サイト内検索をアウトソーシングする場合、キャッシュアウトはありますが、エンジニアの雇用や開発への投資は必要ありません。専門性の高い知識とスキルが必要なため誰にでも任すことができるものではありませんが、高度なスキルや技術を持つベンダーに任せることで、本業に専念できるメリットもあります。

サイト内検索エンジンをリプレイスすべきタイミングは?

サイト内検索のリプレイスは、「レコメンドの導入」や「チャットの導入」などに比べて見た目の変化がなく、地味な機能改善です。しかし「CVRが伸び悩んでいる」「離脱率が高い」などの課題を持っている場合、検索エンジンに手を入れるべきタイミングと言えるでしょう。
サイト内検索の精度が低いと、ユーザーがECサイトを離脱しやすくなり、機会損失が発生します。サイト内検索で3回以内に欲しい商品が見つからないと、ユーザーの7割以上がECサイトを離脱するという調査結果もあります。
またエンドユーザーから「商品を見つけにくい」といった意見が寄せられたときや、社内から検索結果の精度に不満の声が上がったときは、既に「検索に誰かが困っている」状況が明白なので、すぐにリプレイスを検討すべきです。

ECサイトの売り上げを伸ばす方法は、広告、セール、SEO、ページのリニューアルなどさまざまなものがありますが、じつはサイト内検索エンジンを見直すことも効果的です。検索結果が最適化され、商品を探しやすくなると、ECサイトからの離脱が減ってコンバージョン率が高まるためです。ECサイトの売り上げが伸び悩んでいたら、サイト内検索エンジンが成長のボトルネックになっているかもしれません。リプレイスを検討する際は、記事で解説したチェックポイントを参考に、自社のビジネスモデルや運営体制に合ったサイト内検索エンジンを見つけてください。

付録:サイト内検索エンジン選びのチェックシート

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