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ライブコマースを成功させる5つのポイント!始め方や配信内容、ツール選びの注意点など解説

2024年1月15日

SNS時代の販促手段として「ライブコマース」にあらためて注目が集まっています。2020年春のコロナ禍以降、アパレルブランドや化粧品メーカーを中心にライブコマースを活用する企業が増えました。

その一方で「ライブコマースに取り組みたいが、始め方が分からない」という悩みを持っている方も多いようです。

そこで今回はライブコマースの始め方や配信方法、ツール選びの注意点など、ライブコマースを成功させる5つのポイントをお伝えします。ライブコマースのメリットや事例も解説していますので、自社ECサイトの販促にライブコマースを活用したい方は参考にしてください。

目次

ライブコマースの特徴/メリット/事例

まずはライブコマースの基礎知識として、販売手法としての特徴やメリット、事例(アーカイブ動画)について解説します。

「ライブコマース(Live Commerce)」とはライブ配信とeコマースを組み合わせた販売手法の総称です。“生(なま)”を意味するLiveと“商取引”を意味するCommerceを結合した造語で、日本では2010年代の後半から使われるようになりました。

実店舗を持つブランドは、店舗スタッフがライブコマースに出演するなど、接客手段の1つとしてライブコマースを活用するケースも目立ちます。一方、実店舗を持たないD2Cブランドにとっては、ライブコマースは顧客とコミュニケーションを図る重要なチャネルになっています。

ライブコマースのメリット

ライブコマースは文章や画像では表現しきれない商品の魅力を伝えられることや、ファンを醸成できるなど、さまざまなメリットがあります。

① 商品の特徴や魅力を伝えやすい

「試着ができない」「実物を試せない」というECの弱点をライブコマースで補うことができます。例えばアパレルであれば、身長を公表しているモデルが商品を着用して歩いたり動いたりすることで、商品のサイズ感や伸縮性、生地の質感、布の動きなどを伝えることが可能です。メークや美容機器、調理家電、健康器具などは、ライブ配信で実演を行い、コメントで寄せられた視聴者からの質問にその場で回答することで、商品に関する疑問や不安を解消することができます。

② 双方向かつリアルタイムのコミュニケーションが可能

ライブコマースはテレビショッピングに似た販売手法ですが、視聴者が投稿したコメントに配信者がその場で回答するなど、双方向かつリアルタイムのコミュニケーションを行えるのが特徴です。ライブコマース配信ツールの中には、商品データ(画像・商品名・価格など)をアップロードしておけば、ライブ配信画面に商品情報を表示し、そのままカートに投入できるものもあります。ライブ配信で視聴者の購買意欲を高め、熱が冷めないうちに購入を促すことができるのもライブコマースのメリットと言えるでしょう。

③ ファンコミュニティを醸成できる

ライブコマースにはブランドのファンや配信者のファンが集まります。ときには配信中にファン同士がコメントで交流するなど、ライブコマースがファンコミュニティのプラットフォームになることもあります。商品を購入する際、他者による評価が気になる消費者もいるでしょう。そういった消費者は、他の視聴者が投稿した商品についての好意的なコメントを見て、購入意欲が高まるかもしれません。エコーチェンバー現象のような効果が期待できるのもライブコマースの特徴と言えるでしょう。

ライブコマースの事例

ライブコマースはアパレルやコスメ、日用品、家具など幅広い商品カテゴリで活用されています。特にアパレル業界で盛り上がっており、国内最大手のユニクロをはじめ、TSI(ナノ・ユニバース)、ビームス、ベイクルーズ、ユナイテッドアローズ、アーバンリサーチなどがライブコマースを手がけています。

アパレル以外では化粧品の資生堂やファンケル、家具のイケア、総合通販のディノスなどもライブコマースを行っています。

これらのブランドのライブコマースはアーカイブ視聴が可能です。百聞は一見に如かず。ライブコマースの内容や購入導線などについて理解を深めたい方は、各社のアーカイブを視聴してみてください。

アパレル
・ユニクロ「UNIQLO LIVE STATION
・TSI「NANO LIVE
・ビームス「BEAMS LIVE
・ベイクルーズ「LIVE STYLING
・ユナイテッドアローズ「LIVE Shopping
・アーバンリサーチ「UR LIVE
化粧品
・資生堂「ワタプラNight!
・ファンケル「ファンケルライブショッピング
家具
・イケア「イケアライブ
総合通販
・ディノス「dinos LIVE

アパレル業界では国内最大手のユニクロをはじめ、さまざまなブランドがライブコマースを行っている
出典:UNIQLO ライブコマースページ「UNIQLO LIVE STATION」のスクリーンショット

Instagramのライブ配信機能(以下、インスタライブ)など、SNSを使ってライブコマースに取り組む企業も増えています。

インスタライブにはカートや決済機能が備わっていないため、SNSアカウントのトップページにECサイトのリンクを貼って視聴者をECサイトに送客するのが一般的です。ECサイトの商品ページへ遷移する過程で離脱が発生するものの、商品登録の作業が必要ないことや、ライブ配信そのものは無料で行えるといったメリットがあります。

インスタライブを行っているブランドの例としては、実店舗とECサイトで「Arpege story(アルページュストーリー)」を展開しているアルページュの各種ブランドのほか、D2Cブランドの「COHINA(コヒナ)」や「ANDMARY(アンドマリー)」などがあります。

YouTubeのライブ機能を活用している企業も出てきています。物販ではありませんが、FX大手の外為どっとコムはYouTubeでライブ配信を行い、FX口座のオンライン申し込みにつなげています。例えば、平日21時からのライブ配信では、マーケット情報の提供やFX取引ツールを使ったトレード実践などを行っており、直近では毎回数千人が視聴しています。

SNSでのライブコマースを検討している方は、これらの企業の取り組みを参考にするのも良いでしょう。

アパレル
・アルページュ「arpege_story」「apuweiser_official」「jusglitty_official」「rirandture_ official」「mystrada_official」「cadune_official
・COHINA「cohina.official
・ANDMARY「andmary_official
金融
・外為どっとコム「外為どっとコム 公式FX動画ch

ライブコマースを成功させる5つのポイント

ここからは、ライブコマースを成功させる5つのポイントを解説します。ライブコマースはさまざまなメリットがある一方で、機材の準備や配信者の選定、配信内容の考案、配信方法の選択、コンバージョン率を上げる対策など注意すべき点も少なくありません。これからライブコマースを始める方は次の5つのポイントを押さえてください。

① ライブコマースの始め方
② ライブコマースの配信内容
③ ライブコマースのKPIと効果測定
④ アウトソーシングの注意点
⑤ コンバージョン率を上げる施策

【1】ライブコマースの始め方

ライブコマースを始める際は、次のような手順で準備を進めます。事業規模や商材などによって手順が前後したり、複数の手順が同時に進んだりしますが、一般的な進め方として参考にしてください。

① KPIの設定
ライブコマースの目的を明確化し、KPI(Key Performance Indicator、重要業績評価指標)を決定します。主なKPIは「【3】ライブコマースのKPIと効果測定」で解説します。

② 配信ツールの選択
ライブコマースを配信する方法は、大別すると「ライブコマース配信ツール」と「SNS」の2種類があります。

ライブコマース専用ツールは製品ごとに機能が異なります。例えば、ライブ配信画面で商品をカートに投入できるツールもあれば、配信画面からECサイトの購入ページに視聴者を飛ばすものもあります。それぞれにメリットとデメリットがありますので、複数のツールの資料請求を行って吟味してください。

SNSでライブコマースを配信する場合は、フォロワー数や登録者数が多いアカウントを使うとライブコマースの集客(告知)を行いやすくなります。

③ 出演者の選定
ライブの出演者を選定します。インフルエンサーを起用すればライブ配信の集客を行いやすくなりますが、出演料が発生しますし、スケジュールの関係で頻繁にライブを行えないといったデメリットもあります。ライブコマースを低予算で行いたい場合や、週に数回実施するなど頻度を上げたい場合は、店舗スタッフやバイヤーなど社員が出演すると良いでしょう。

④ 撮影場所の選定
ライブ配信の撮影場所を選定します。本社の会議室や、ささげ(撮影・採寸・原稿)業務を行うフロアなどに簡易スタジオを設置するケースのほか、商業施設の許可を得て実店舗で配信することもあります。

⑤ 機材の準備
カメラや三脚、照明、マイク、スマートフォン、パソコン、通信回線などの配信に必要な機材を準備します。

⑥ 配信内容の決定
ライブコマースの内容や紹介する商品を決定します。ライブコマース配信ツールを使用する場合は、ライブで紹介する商品のデータを登録します。具体的な配信内容については「【2】ライブコマースの配信内容」で解説します。

⑦ 台本や想定質問の作成
配信内容のあらすじを決定します。出演者がライブ配信に不慣れな場合や、アドリブが苦手な場合は、台本や想定問答などを作成しましょう。

⑧ 購入導線の設計
SNSでライブ配信を行う場合、SNSからECサイトへのリンクを分かりやい場所に設置することも重要です。また、ECサイトで商品を見つけやすいように、動線やサイト内検索を整備することも必須です。購入導線を設計する方法については「【5】コンバージョン率を上げる施策」で解説します。

⑨ 配信日時の告知
ライブコマースの配信日時をSNSやメルマガ、プレスリリースなどで告知します。例えば、配信の数日前から毎日、商品の写真をSNSアカウントに投稿し、説明文にライブコマースの日時や配信内容などを記載してフォロワーに予告するといった手法があります。

⑩ 配信
ライブコマースを配信する際は、安定した通信回線を使用してください。配信トラブルを避けるために本番前に必ずテスト配信を行いましょう。

⑪ 効果測定
ライブコマースは1回だけで成果を判断するものではなく、継続することが大切です。配信後に内容を見直し、コメントで寄せられた意見も参考にしながら、配信内容や告知の方法を改善してください。

【2】ライブコマースの配信内容

ライブコマースで紹介する商品は「新商品」「シーズンアイテム」「コラボ商品」「週間人気ランキング」など、時事性があるものを選ぶと企画を立てやすくなります。クリスマスやお歳暮、お中元、父の日、母の日などのイベントに合わせてギフトに最適な商品を紹介するのも良いでしょう。

おすすめのコーディネートやメンテナンスの方法など、商品のプロならではの情報を伝えるのもポイントです。発売に至った経緯や、商品開発でこだわったポイントなど、口頭だからこそ熱量を持って伝えられる情報も織り交ぜると内容の濃いライブになります。

また、ライブコマースで先行発売や限定販売などを行い、ライブコマースに参加するメリットを訴求すると、次回以降の視聴につながりやすくなります。

視聴者とのコミュニケーションを意識する

ライブコマースでは、視聴者とコミュニケーションを図ることも大切です。自分のコメントが配信者に読み上げられると、喜ぶ視聴者は少なくありません。コメントで寄せられた質問に回答したり、コメントを読み上げてお礼を言ったりするなど、積極的に視聴者とコミュニケーションを取りましょう。モデルや実演者がコメントを読み上げるのが難しい場合は、コメントを読み上げる進行役を入れるのも良いでしょう。

注意点として、ネガティブなコメントに迂闊に反応するとコメント欄が荒れる可能性もあります。炎上リスクを避けるために、拾うコメントと無視するコメントの基準を事前に決めておくと良いでしょう。

【3】ライブコマースのKPIと評価方法

ライブコマースの成果を評価する基準は、定量的なものと、数値では計測しにくいものがあります。定量的なKPIには次のようなものがあります。

・配信回数
・視聴者数
・リピーターの人数
・コメント数
・「いいね」や「ハート」などの数
・ライブコマース経由の販売数量/販売金額
・配信中〜配信直後のECサイトのアクセス数/売上高
・配信後のSNSアカウントのフォロワー増加数

数値で計測しにくい効果としては、ファンの醸成やブランディング、認知拡大、実店舗への来店促進などがあります。

例えば、ライブコマースを見て気になった商品の実物を見るために、実店舗を訪れる人もいるでしょう。また、ライブコマースに出演した店舗スタッフに会うために、店舗に足を運ぶ視聴者もいるかもしれません。あるいは、ライブコマースの配信中に商品を買わなくても、ライブで見た商品を後日ECサイトや実店舗で購入する消費者もいるはずです。

数字として把握しにくい効果を測定するには、例えば、メルマガ会員などにアンケートを実施し、来店のきっかけや購入のきっかけを質問するといった方法を検討すると良いでしょう。

出演者の人事評価を適切に行う

社員がライブコマースに出演する場合、出演者の人事評価を適切に行うことも重要です。出演回数や視聴者数、コメント数、販売実績などを踏まえ、給与や手当に反映することも検討する必要があるでしょう。ライブコマースに出演できる人材は貴重です。今後、ライブコマースが盛り上がるにつれて人材獲得競争が激しくなることも予想されます。優秀な人材が流出しないように適切な人事評価を行ってください。

【4】アウトソーシングの注意点

ライブコマースを自分たちだけで行うことが難しい場合、コンサルティング会社や運営代行会社に依頼するのも選択肢の1つになります。

インターネットでライブコマースの運営代行会社を検索すると、複数の会社がヒットします。企画の立案やキャスティング、機材の準備、配信までサポートしている企業もありますので、自社が扱っている商品カテゴリでの代行実績などを踏まえて委託先を選定してください。

ライブコマース配信ツールを提供している企業が、ツールの提供先に対してライブコマースの運営をサポートする場合もあります。ライブコマース配信ツールを導入する場合にはサポート体制も確認しておくと良いでしょう。

【5】コンバージョン率を上げる施策

SNSを使ってライブコマースを行う場合、購買意欲が高まった顧客を取りこぼさないように、SNSからECサイトに遷移した後のコンバージョン率を高める対策が必須です。コンバージョン率を上げる施策は多岐にわたりますが、代表的なものとして次のような施策があります。

① ライブで紹介した商品への導線を作る
ライブで紹介した商品のサムネイルをECサイトのトップページの目立つ位置に配置するなど、ECサイトを訪れた視聴者がスムーズに商品ページへアクセスできるようにしましょう。

② キーワード検索の表記ゆれ対策
ECサイトを訪れた視聴者がキーワード検索で商品を探した際に、商品が漏れなくヒットするように「表記ゆれ(同じ商品を検索しているにも関わらず、検索に使うキーワードが異なること)」を吸収することも重要です。表記ゆれの対策については、過去のブログで詳しく解説していますので、ぜひご一読ください。

表記ゆれとは?チェック方法と解決策をわかりやすく解説

③ Web接客で離脱を防ぐ
ECサイトを訪れた視聴者にWeb接客を行うことも重要です。例えば、ポップアップでクーポンを提示したり、関連商品をレコメンドしたりするとコンバージョン率アップが期待できます。ユーザーの行動データ(流入元情報、閲覧履歴、滞在時間など)にもとづいてセグメントを構築し、任意の行動をトリガーとしてコンテンツを提供すれば一層高い効果が期待できます。

EC売上を伸ばす施策3選!集客数・購入率・客単価を改善するコンバージョン最適化(CRO)のノウハウ

コンバージョン率の課題を解決する「eコマース suite」

ECサイトのコンバージョン率に課題がある場合、NTTドコモが提供しているECソリューションパッケージ「eコマースsuite」で対策することも可能です。

「eコマース suite」は、コンバージョンのボトルネックを特定するサイト分析から施策の実行までさまざまな課題に対して各種ソリューションを提供します。サイト内検索エンジンやレコメンド機能、チャットボットなど、ECサイトの売上拡大に直結する各種ツールを提供するほか、UI/UX改善の専門家とも提携し、顧客体験の向上につながる導線改善やコンテンツ改善をサポートします。

eコマースsuiteの詳細はサービスページをご覧ください

コンバージョン率アップの施策に手が回らない方や、有効な施策が分からず悩んでいる方は、お気軽にお問い合わせください。

eコマースsuiteに関するお問い合わせは、こちらからご連絡ください

オンライン販売はライブの時代へ

2020年春以降、ライブコマースの注目度が急激に高まりました。ライブコマースそのものは以前からありましたが、コロナ禍で実店舗の営業自粛が広がったことで、店舗販売を主体としていたブランドが相次いでライブコマースを開始しました。当時、店頭に立てなくなった店舗スタッフの仕事を作りだすために、必要に迫られてライブコマースを始めたブランドもあったようですが、結果的に日本でライブコマースが定着する契機になったと言えるでしょう。

ECサイトの販促手法は時代とともに変化しています。2000年代は文章や静止画が中心でしたが、2010年代に入ると動画が台頭し、2020年代はライブコマースが急速に広がっています。

日本国内のライブコマースの市場規模は、2027年までに約3000億円規模まで拡大するとの予測もあります。EC市場(物販)が約20兆円に拡大し、そのうちライブコマースが1.5%を占めるという見立てです。あくまで推計値ではありますが、ライブコマース市場の規模感をつかむ参考データとして知っておくと良いでしょう。

出典:2022年8月1日、株式会社いつも デジタルシェルフ総研「ライブコマース市場の展望

2024年現在、スマートフォンの普及や高速通信回線の整備によって、ライブ配信を誰でも簡単に行えるようになりました。10〜20歳代の消費者は、ライブを見るのはもちろんのこと、自ら配信することへの心理的ハードルも他の世代と比べて低いようです。日常的にライブ配信に慣れ親しんだ世代が今後、消費の中心になっていくことを踏まえると、オンライン販売におけるライブコマースの重要性は一層高まっていくでしょう。

執筆者:goo Search Solution編集部
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