デバイス比率によるネットショップの売上の減少と対策
こんにちは。
水上 浩一です。
今回はデバイス比率によるネットショップの売上の減少と対策についてお話をしたいと思います。
■B2CECサイトとB2BECサイトでのデバイス比率の違い
一般的なネットショップでは、スマホ:PCの割合は70:30でスマホのアクセス数が多くなっています。これは一般的なB2Cのネットショップでの数値です。
一方、B2Bショップの場合は業務時間での商品発注が多く、オフィスでの業務時間ではスマホよりもPCを使うことが多いと予測されるため、スマホ:PCの割合は50:50ぐらいの比率になります。
ただ、B2Bショップの場合でも、たとえば飲食店向けのエプロンや現場で使う安全靴などの場合は、商品を購入する作業現場にPCが無いケースが想定されるため、スマホ:PCの割合は60:40程度までスマホのアクセスが上昇するようです。
ファッションのショップの場合は圧倒的にスマホ比率が高く、スマホ:PCの割合は90:10の割合でスマホのアクセスが多くなります。
これは昔のガラケー時代から同様の傾向となっています。
■デバイス比率の変化だけで何も手を打たないと売上が34%も下落する
一般的なネットショップの場合、わずか3~4年前まではスマホ:PCの割合が20:80で、PCのアクセスが多かったのです。
たとえば同じECサイトで、
アクセス数:10000、転換率PC:1.5%、スマホ0.6%の場合
PCサイト:8000×1.5%=120件のCV
スマホサイト:2000×0.6%=12CV
120件+12件=合計注文数132件のCVとなります。
これが最近ではさきほど申し上げた通り、一般的なネットショップでは、スマホ:PCの割合は70:30でスマホのアクセス数が多くなっています。
そうなりますと、上記と同じECサイトで同じ条件だった場合、
PCサイト:3000×1.5%=45件のCV
スマホサイト:7000×0.6%=42件のCV
45件+42件=合計注文数87件のCVとなってしまいます。
132件→87件でマイナス45件になります。
なにも対策をとらないとデバイスシフトの影響だけで、売上が34%も下落してしまうのです。
■スマホECサイトは転換率を中心に改修を行おう
このように、スマホECサイトでは、特に転換率(CVR)と客単価をアップさせる対策が重要となります。
多くのECサイトを拝見させていただくと、先ほどの事例のようにスマホECサイトの転換率はPCECサイトの半分ぐらいになっているケースが多く見受けられます。
スマホのアクセス数はともかく、転換率も客単価もPCほどは上がらないと思って、諦めてしまっているECサイト事業者さんの声を少なからずお聞きしてきました。
しかし、スマホECサイトの転換率は大幅にアップさせることが可能です。
たとえば、美容ジャンルのECサイトさんは、PCサイト、スマホサイトの両方をリニューアルされました。特にトップページの改修に力を注ぎました。
その結果、
PCサイト:転換率が0.9%→3.2%にアップ
スマホサイト:0.8%→3.4%にアップ
とスマホサイトの転換率が4倍以上になり、PCサイトの転換率を上回ることに成功しています。
このように、スマホサイトの転換率は上げることが可能なのです。
■スマホECサイトの転換率アップは「トップページ」と「不安要素の解消」。客単価アップも繋がる
スマホサイトのトップページは特に重要です。
スマホサイトの転換率をアップさせるために重要なことの一つは、「ユーザーのタップ数をできるだけ少なくする」ことです。
タップ数が多くなればなるほど、転換率は下がる傾向があります。
これはカート周りのタップ数や入力数も同様ですが、トップページから商品ページへの動線でも同じことが言えます。
そのため、できるだけトップページで欲しい商品を決められる情報発信を行う必要があります。具体的な購買動機を列記するとか、購買動機別のおすすめ商品を記載する等の対策によって、タップ数を少なくすることができ、結果的に転換率アップを実現することが可能となります。
あと重要なのは「ユーザーの不安要素の解消」です。
たとえば、乗馬ブーツを検討しているユーザーの不安要素はなにか、といいますと、「サイズが合うかどうか」だと思います。
ブーツの場合、足のサイズだけではなくて、足首のサイズやふくらはぎのサイズも重要です。試着できないとそれらのサイズに不安が残り、購入を断念するケースがあります。
そこで「自宅で試着」というサービスを提供しているショップがあります。
たとえばユーザーの足のサイズが24センチだったとします。
しかし足首やふくらはぎのサイズが心配なので前後0.5センチサイズをずらして合計3足購入します。
自宅に届いたら早速試着します。すると実は24.5センチがぴったりでした。
サイズをばらして購入したのが奏功しました。
ユーザーは、不要な24センチと23.5センチのブーツを同封の着払い伝票を使って返品します。ショップに返品されたことが確認できると直ちに返金作業が行われ、自宅での試着購入は完了します。もちろん返品時の返送料はショップ負担です。
この一連の説明を同サイトではイラストを多用し、直感で理解できるように説明しているのが特徴です。スマホサイトは文字を多用するよりもイラストや写真を使って直感でわかるようにするのがコツです。
また、スマホサイトは画面が小さいので単品を選択するとそのまま購入に向かってしまい、そのままでは同梱や次いでの購入が難しくなります。
こういうときにはセット販売も効果的です。
たとえば、パーティードレスの場合はドレス、アクセサリー、バッグ、靴のコーディネート提案を行います。
■スマホECサイトならでは。サイト内検索キーワードを取得できるチャンス!
スマホの方が動線の表示が画面のサイズが小さいためPCに比べて少なくなります。
そのため、目当ての商品にたどり着くことが難しいため、ここでも転換率の低下を招いてしまう可能性があります。
そこで、トップページのファーストビューでショップ内の商品やコンテンツをユーザーに検索して探してもらう「サイト内検索」の検索窓を目立たせるようにします。
これによってユーザーはサイト内検索を多用するようになり、目当ての商品やコンテンツにたどり着くことができます。
このサイト内検索窓を目立たせる動線設計は副次的な効果をもたらします。
それは「サイト内検索キーワードをより多く取得できる」ということです。
以前にもこちらのコラムで書かせていただきましたが、サイト内検索キーワードはGoogle Analyticsで来訪キーワードが取得できなくなった現在、非常に重要なWebマーケティング情報なのです。
是非、今回ご紹介したスマホECショップの改善を活用してショップの売上アップを実現してください。
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