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ECサイトのUXが向上する「タグ検索」とは?導入効果や活用例を解説

2023年3月16日

ECサイトにおける新たな検索手法として「タグ検索」に注目が集まっています。ユーザーが効率よく商品検索できるようになるほか、SEO効果によってオーガニック流入の増加が期待できるなど、さまざまなメリットが見込めるタグ検索。本稿では、タグ検索の仕組みや導入効果などについて詳しく解説します。

記事の後半では、サイト内検索エンジン「goo Search Solution」のタグ検索機能の実装例も紹介します。
タグ検索を活用してECの売上を伸ばしたい方は、ぜひ参考にしてください。

目次

  • タグ検索とは?概要と検索UIを解説
  • SNSでは「ハッシュタグ検索」として浸透
  • EC利用者の1割強がタグ検索の利用経験あり。Z世代は利用率が高い
  • ECサイトにタグ検索を実装する5つのメリット
  • goo Search Solutionタグ検索機能の概要と実装例
  • タグ検索の将来性を考察

タグ検索とは?概要と検索UIを解説

「タグ検索」とは、ECサイトなどで使われる検索手法の一種です。ECサイトの運営者が任意のキーワード(=タグ)を検索ボックスの周辺などに設置し、サイト訪問者がタグをタップして商品を検索します。

タグ検索の実装イメージ。サイト訪問者(顧客)は検索キーワードが思いつかなくても、タグをタップするだけで商品を検索できる

タグとは、商品の特徴を表すキーワードのこと。例えば、春夏シーズンに使える女性物の花柄のブラウスであれば「レディース」「花柄」「春夏」「華やか」「お出かけ」といったキーワードがタグになります。

商品ごとにタグを付与し、タグごとに複数の商品をグルーピングすることで、サイト訪問者が商品を直感的かつスムーズに検索できるようになるのがタグ検索の特徴です。例えば、アパレルECサイトで「ウォッシャブル」というタブをタップすると、自宅で洗濯できる商品が一覧で表示されます。

SNSでは「ハッシュタグ検索」として浸透

タグ検索は、InstagramやTwitter、TikTokといったSNSで使われている「ハッシュタグ検索」と考え方は同じです。

ハッシュタグ検索とは、SNSの検索ボックスにハッシュタグ(先頭に「#」が付いたキーワード)を入力し、写真や動画などのコンテンツを探す検索方法のこと。SNSユーザーが写真や動画などを投稿する際に、任意のハッシュタグをコンテンツに付与し、他のユーザーはハッシュタグを使ってその写真や動画を検索します。

ハッシュタグ検索の方法は、検索ボックスにハッシュタグを入力するだけではありません。Twitterの「トレンド」欄には人気のハッシュタグが表示され、ユーザーはワンタップでコンテンツを検索することができます。

TikTokの検索ボックスでキーワード検索を行うと、「ハッシュタグ」タブにはキーワードに関連するハッシュタグが一覧表示されるので、ワンタップでコンテンツを検索することが可能です。

Twitterのトレンド(画像左)とTikTokの「春物コーデ」関連ハッシュタグ一覧(画像右)
出典:TwitterおよびTikTokのスクリーンショット,2023年2月20日21時20分時点

タグをタップしてコンテンツを検索するUIは、SNSユーザーにとって今や当たり前のものになっています。こうしたSNSのトレンドを踏まえると、今後はECサイトにおいても、タグで商品を検索するUIが普及していくことは十分に考えられるでしょう。

EC利用者の1割強がタグ検索を利用。Z世代は利用率が高い

現在、一部のECサイトではタグ検索がすでに実装されています。EC業界においてタグ検索は現在、どの程度利用されているのでしょうか。NTTレゾナントが2023年2月に実施した消費者アンケートの結果から、タグ検索の利用実態を紐解きます。

約1000人のEC利用者に対して、ECサイトでの買い物で商品をどのように探すか質問したところ、11.3%の消費者が「タグで探す」と回答しました。

出典:NTTレゾナントが実施した消費者アンケートをもとに作成

キーワード検索やカテゴリ検索といった他の検索方法と比べて、タグ検索の利用率は低いように見えるかもしれません。しかし、タグ検索は歴史が浅い検索手法であり、現時点でタグ検索を実装しているECサイトの絶対数が少ないことを踏まえると、11.3%という数字は決して低くはないと言えるのではないでしょうか。タグ検索の普及はこれから本格化すると見られています。今後、タグ検索を実装するECサイトが増えていけば、タグ検索の利用率はさらに伸びていくでしょう。

なお、Z世代(15~27歳)に限るとタグ検索の利用率は18.6%になり、全体平均を7.3ポイント上回りしました。Z世代はSNSでハッシュタグ検索に慣れているため、ECサイトにおいてもタグ検索を利用する割合が高いと考えられます。若年層をターゲットとしたECサイトでは、特にタグ検索の導入効果が高いと言えるでしょう。

ECサイトにタグ検索を実装する5つのメリット

ECサイトにタグ検索機能を実装すると、検索UXの向上やSEO効果など、さまざまなメリットが期待できます。ECサイトにタグ検索を実装する5つのメリットを解説します。

① 商品を見つけやすくなる(検索UXの向上)

ECサイトにタグ検索を導入すると、ユーザーは検索キーワードを思いつかなくても直感的に商品を検索することができます。

例えば、アパレルECサイトで商品を探すときは「綺麗め」や「細見え」といった感覚的な言葉を使うことがあります。こうしたタグを「スカート」や「ワンピース」などのカテゴリページの上部に表示し、タグで絞り込み検索を行えるようにすれば、「綺麗め」や「細見え」といったキーワードが思いつかなくても欲しい商品にたどり着きやすくなります。

商品を探しているときに検索キーワードを思いつかない人は少なくありません。NTTレゾナントが実施した消費者アンケートでは、「購入意思があって商品を探す際、検索でどのようなキーワードを入力すればいいかわからないことはありますか」という質問に対して、EC利用者の約63%が経験ありと回答しました。タグ検索をECサイトに導入し、キーワードを考えなくても商品を検索できるようにすれば、EC利用者にとって便利で親切なECサイトに近づくでしょう。

② SEO効果が期待できる

ECサイトにタグ検索を導入すると、SEO効果も期待できます。
例えば、アパレルECサイトで「ウォッシャブル」というタグを生成し商品ページに掲載したとしましょう。「ウォッシャブル」という言葉にリンクが貼られ回遊できるようになると、Googleのクローラー(ロボットプログラム)が商品ページを発見しインデックス登録します。そのため、Googleで「ウォッシャブル」と検索した際に、商品ページが検索結果に表示されやすくなり、オーガニック検索での流入が期待できます。

③ 意図した検索結果(商品一覧)に誘導できる

ECサイトのトップページ上部など目立つ場所にタグを表示すれば、任意の検索結果(商品一覧ページ)にユーザーを誘導することもできます。
●売れ筋商品のタグを表示して一層の売上拡大を図る。
●ロングテール商品のタグを表示して販売をテコ入れする。
●「期間限定」というタグを設置してセールページに誘導する。
このように、運用次第でさまざまな販促手法が実現します。

④ 潜在ニーズを掘り起こせる

買いたい商品が具体的に決まっていないユーザーに対して、商品検索の過程にタグを介在させることで、購入意欲を顕在化することもできます。例えば、アパレルECサイトで「撥水」というタグを使用すると、「雨の日に着られる服」をユーザーが探すきっかけを創出できるでしょう。タグを活用して商品の検索軸(=商品の価値)を顧客に提案することで、潜在ニーズを掘り起こすことができるのです。

⑤ 0件ヒットが発生しない

タグ検索では「0件ヒット」が発生しません。
0件ヒットとは、キーワード検索の検索結果に商品が全く表示されない、あるいは本来出るべき商品が表示されない状態のこと。0件ヒットはユーザーの買い物体験を低下させ、不満を高める原因になります。タグ検索は検索結果のページをあらかじめ生成しておくため、理論上、0件ヒットが発生しません。ECサイト全体での0件ヒットの発生数の削減につながり、検索UXの向上が期待できます。

goo Search Solutionハッシュタグ機能の概要と実装例

ECサイトにタグ検索を実装する手順を具体的にイメージしやすいように、サイト内検索エンジン「goo Search Solution」のハッシュタグ機能を例に挙げ、抽出方法や実装方法を紹介します。

ハッシュタグ機能をECサイトに導入する際の流れは、次の3ステップで進みます。

【ステップ1】商品情報からハッシュタグを抽出する

ECサイトの商品情報(商品マスタなど)から、ハッシュタグに使用するキーワードを抽出します。goo Search Solution はキーワードを抽出する方法として、次の3種類を提供しています。

(1) 商品情報から抽出
自然言語処理など複数の手法を組み合わせて、商品マスタに含まれるテキスト(商品名、商品説明文、レビューなど)から商品の特徴を表すキーワードを自動的に抜き出す。

(2) ログ情報から抽出
ECサイトの検索ログ(検索に使用された語句など)や行動ログ(ユーザーの行動履歴など)をもとに、検索ボリュームやクリック数など任意のロジックでキーワードを抽出する。

(3) リストで抽出
ホワイトリストを作成して任意のキーワードを抽出。さらに、ブラックリストを適用して任意のハッシュタグを除外する。

【ステップ2】任意の場所にハッシュタグを表示する

商品情報から抽出したハッシュタグをECサイトの任意の場所に設置します。ハッシュタグの設置場所やデザインは、ECサイト側で自由に設定することが可能です。

【ステップ3】ユーザーがハッシュタグで商品を探す

ECサイトの任意の場所にハッシュタグを設置することで、ユーザーはキーワードを入力せずに、商品を直感的に検索できるようになります。また、「ECサイトにタグ検索を実装する5つのメリット」でも解説したように、EC事業者が任意のハッシュタグを設置し、意図した検索結果(商品一覧)へとユーザーを誘導したり、他の商品ページへ回遊を促したりすることも可能です。これによりユーザーの興味関心を高め、購買率アップを狙えます。

ハッシュタグは検索結果の絞り込みにも使えます。例えば、アパレルECサイトで「ワンピース」を検索したとき、検索結果に「春物」「白」「ウォッシャブル」といったハッシュタグを表示すれば、ユーザーはハッシュタグをタップするだけで商品を絞り込むことができます。

goo Search Solutionのオプション機能として提供。タグ検索機能のみでも導入可能

ハッシュタグ機能は、goo Search Solutionのオプション機能としてご利用いただけます。なお、ハッシュタグ機能単体でも提供していますので、既存のサイト内検索エンジンを使いながら、goo Search Solutionのハッシュタグ機能を利用することも可能です。

タグ検索機能についての詳細は、サービスページをご覧ください。
ハッシュタグ機能の詳細はこちら

タグ検索の将来性は?

最後に、タグ検索の将来性について考察し、コラムを締めたいと思います。

タグ検索はSNSでは一般的になっているものの、ECサイトにおいては普及し始めたばかりです。先ほど紹介した消費者アンケートでも、ECにおけるタグ検索の利用率は1割強にとどまりました。

ただし、タグ検索の利用率を年齢別で見ると、状況は異なります。年齢が若いほどタグ検索の利用率は顕著に高くなっており、15~19歳は22.1%、20~29歳は16.2%、30~39歳は10.6%、40~49歳は9.7%、50~59歳は6.4%、60~69歳は7.4 %です。

出典:NTTレゾナントが実施した消費者アンケートをもとに作成

スマホネイティブでSNSにも慣れている世代は、ECサイトにおいてもタグ検索を使う割合が高いようです。そして、現在の10代やZ世代が今後、消費の中心を担うようになれば、ECにおけるタグ検索の利用率が高まっていくことは間違いないでしょう。タグ検索は近い将来、キーワード検索やカテゴリ検索と同様に、ECサイトに欠かせない検索機能の1つになっているかもしれません。

執筆者:goo Search Solution編集部
goo Search Solution編集部ではECサイト担当者様向けに、EC業界の最新動向から日々の運用のヒントになる情報を独自取材してお届けしています。
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