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ユーザー行動を事前に設計する重要性

2021年1月28日

こんにちは。
水上 浩一です。
全国17地域、年商数百億円の上場企業様から生産者直売ネットショップまで2500名以上の方々とネットショップ売上アップやウェブサイトからの集客のコンサルティングを行っている「水上浩一EC実践会 for FutureShop2」の講師を務めさせていただいております。
これまでの経験で得た知識をもとに、実践的なビジネスコラムを書かせていただくことになりました。
どうぞよろしくお願いいたします。
今回はECサイトにおける「ユーザー行動を事前に設計しておくことの重要性」について説明させていただきます。

■ユーザー行動を事前に設計する重要性<コンテンツ>

一例として、リンゴ農園の話をさせていただきます。
長野県でリンゴ農園を営む園主はネットショップを運営しており、そこでは「サンふじ」というリンゴの栽培と販売をしています。
ところが、同じ地域のリンゴ農園でも「サンふじ」を生産している場合が多くあります。
このように周囲すべてが同じリンゴを生産する農園、というケースも珍しくありません。
もちろん同業他者であっても、育て方や肥料の種類等、千差万別でそれぞれに特徴があります。
しかし、それをリンゴにあまり詳しくない一般のユーザーに伝えることはなかなかできません。
そこでその園主は、リンゴにかける情熱や現在のリンゴが出来上がるまでのストーリーをユーザーに伝えることにしました。

園主は、リンゴ農園の三代目として誕生しましたが、農園とは距離を置いた仕事に従事していましたが、結婚を機に長野の農園を継ぐ決心をします。
お父さんと二人三脚で農園を切り盛りしようとしたその矢先、お父さんが亡くなってしまいます。
リンゴの作り方が分からなかった園主は、途方に暮れてしまいます。
そしてリンゴの味、品質はどんどん落ちていきます。そんなときご高齢の女性のお客様から電話をもらいます。「おたくのリンゴはいつも美味しいからね」と。
いたたまれなくなった園主は「違うんです。おばあちゃん、うちのリンゴは以前とは違うんです」と思わず悩みをぶつけてしまいます。
そのとき、おばあさんは、「あなたのお父さんは何十年かけてその味を作ったと思っているの?あなたはあなたの味を作っていけばいいのよ」とアドバイスをもらいます。
思わず泣き崩れる園主。
そして、自分に足りないのは「リンゴを作る覚悟」だったことに気づきます。
その後、お父さんが残した栽培日誌を見つけ、そこからヒントを得て数年がかりで今の美味しいリンゴにたどり着いたそうです。
「これからも遠い親父の背中を目指して精進していきます」。
園主は、リンゴ作りの決意をサイトで語っています。
それを見たお客様からfacebookで「プロフィール拝見しました。泣きながら拝見しました。美味しい理由がわかりました」と熱烈なコメントがありました。
その年、昨年対比125%の売上を上げることに成功。
このリンゴ生産者の方の場合、まずはなんといってもこの園主である園主のプロフィールというコンテンツをユーザーに閲覧してもらうところから始まります。
ですから、トップページのファーストビュー(サイトに訪問して最初に閲覧できるページの上部)の目立つ位置に「園主プロフィール」というボタンを設置することでユーザーにタップしやすくしています。

■ユーザー行動を事前に設計する重要性<商品>

たとえば沖縄の楽器「三線(さんしん)」を販売しているネットショップさんの場合。
三線を買おうとするユーザーからヒアリングをしたところ、「沖縄に旅行に行ったとき、三線の音色を聞いてすっかり気に入ってしまった。
なんとか自分でも弾けないものか、とインターネットで調べて見つけました」
というご意見が多かったのです。
つまりこの三線ショップの場合、初心者が多く来店していることがわかります。
そこでネットショップのファーストビューに「初めての三線トライアル16点セット」のバナーを設置しました。
キャッチコピーには「はじめての三線ならコレ!!」「必要なものがすべてそろった!」等の文言を入れて、このセットを購入すれば、三線を弾くのに必要な道具が楽器を含めてすべて揃います、と伝えています。
ユーザー属性に合わせた初心者向けセットを最初に閲覧してもらうようにサイトを設計してあるのです。

■スマホサイトは画面が小さいので、サイト内検索に誘導しよう

最近のECサイトは、一般的なショップでPCとスマホのアクセス割合が30:70でスマホの方が多くなっています。
これがファッションジャンルになると10:90で圧倒的にスマホからのアクセスが多くなります。
スマホの特徴として、なんといっても「画面がPCよりも小さい」ことがあげられます。
ユーザー行動を事前に設計しておく観点から考察すると、まずは、先ほど説明させていただきました

  1. 差別化のためにまずは読んでもらいたいコンテンツに誘導するための動線
  2. 来訪ユーザーの中で一番多い属性(ここでは三線初心者の観光客にマッチしたセット商品)の動線

を優先することになります。

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しかし、スマホでは画面のサイズからそれほど多くの商品を掲載することができません。
オススメしている商品以外を見てみたい、というユーザーもいらっしゃいます。
さらに販売している商品が多い場合、手っ取り早く「サイト内検索」に誘導してしまうのが実はユーザーの利便性を高めることにもつながる場合が多いのです。
そういう観点からも「サイト内検索窓をトップページのファーストビューに掲載する」という施策も立派なユーザー行動の事前設計になるのです。

■サイト内検索、2つの重要性

サイト内検索を促すというユーザー行動の事前設計には実は2つのメリットがあります。

  1. スマホサイトでは動線の表示が画面の大きさの関係でたくさんは提示できない
    なので、すぐにサイト内検索してもらった方が利便性は高い
  2. サイト内検索キーワードによって、どんなコンテンツが必要か?
    のリサーチができます。
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(1)は先ほど説明したのでここでは(2)について説明いたします。
サイト内検索で検索されているキーワードは、すなわちユーザーが調べたいキーワードです。そのキーワードで検索されている頻度が高い場合、新たな動線を設置したり、コンテンツを増やすことでユーザーの利便性が高まることが予測されるのです。
つまり、サイト内検索キーワードはマーケティング情報として極めて重要だということです。
たとえば剣道防具や剣道竹刀を販売しているネットショップの事例で、サイト内検索されているキーワードに竹刀の形状を表すキーワードが多かったのです。
通常は竹刀の長さや重量、品質等が重視されているように感じますが、実はユーザーはそういったスペックと同様、竹刀の形状も重視していることがわかりました。
そこで、対応策としては「竹刀の形状別入口」バナーを竹刀のカテゴリページに設置するというアイディアが生まれてきます。
これなどは、サイト内検索キーワードが、ユーザー行動の事前設計に見事に生かされた事例となり、売上アップに貢献しました。

ユーザー行動の事前設計には、サイト内検索キーワードを活用してみてはいかがでしょうか。

水上 浩一(みずかみ ひろかず)

「水上 浩一EC実践会 for FutureShop2」講師
株式会社ドリームエナジーコンサルティング代表取締役

ランチェスター戦略の効果的なウェブマーケティング活用を中心とした勉強組織
「水上 浩一EC実践会 for FutureShop2」を全国で展開中。
2017年3現在、17地域、受講者数は2500名を超える。
講演・セミナー回数は年間240回以上、通算2000回超。
ジャンルを問わず短期間で劇的なネットショップの売上アップ実績多数。
大手上場企業から生産者直売店舗等地域活性化までコンサルティング成果事例多数。

■著書

「ホームページなら小が大に勝てる! 儲かる会社 ランチェスター戦略 (ビジネスアスキー)
「圧倒的利益」を生み出すキュレーション・マーケティング―独自性を創出する10の視点」(ごま書房新社)
他、計7冊。

「水上 浩一EC実践会 for FutureShop2」公式ホームページ
http://www.ecjissenkai.com/

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