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サイト内検索にAIを活用すると、ECサイトの売上アップにつながるのはなぜか?

人工知能(AI)がユーザーの“検索の意図”を理解し、ECサイトで購入される確率が高い商品を予測した上で検索結果を表示する。その結果、ユーザーの検索体験が向上してECサイトの売上拡大につながる。

そういったサイト内検索エンジンが存在すると言われても、にわかに信じられないかもしれません。

しかし、AIがECサイトのログ(ユーザーの行動データや検索クエリ)などを解析し、ユーザーが探している商品や、購入される確率が高い商品を予測して検索結果を生成するサイト内検索エンジンは、すでに実用化されています。弊社が提供しているサイト内検索エンジン「goo サーチソリューション」もその1つです。

今回のコラムでは、サイト内検索エンジンにAIを活用する方法や、AIを活用するメリットについて、「goo サーチソリューション」のAIの仕組みを踏まえて解説します。

目次

AIが検索ユーザーの意図を理解し、検索結果を最適化する仕組み

「goo サーチソリューション」のAIは、ユーザーが検索窓に入力したキーワード(検索クエリ)や、入力後にユーザーが行った行動(ページ閲覧や商品購入など)を分析し、検索結果を最適化します。例えば前日にテレビでナイキのスニーカーが特集され、「スニーカー」と検索した際に該当の商品が多くクリックされ、購入されたとしましょう。するとAIは、「今はスニーカーというキーワードでナイキのスニーカーを探しているのだな」と学習します。これは「その時」を分析しているため、例えば翌日に「アディダスのスニーカー」が選ばれるようになれば、今度は「今はアディダスが売れるのだな」となります。ユーザーのニーズは日々変化しますから、ログを活用してAIが解析することで、売れる商品を常に表示することができるのです。

これを応用すると、パーソナライズ化も可能になります。ユーザーの年齢や性別、住所といった属性情報も加味してログを解析すると、そのユーザー属性にとって最適な検索結果を出すこともできます。ECサイトの持つパラメータは様々ですから、そのサイトに合った特性を加味して検索結果を表示することで、よりユーザー体験を向上させることができるでしょう。

「goo サーチソリューション」では、こうしたログ解析をすべてのサイト訪問者を対象に実施します。サイト規模が大きくなればなるほど、ログの解析は大変な作業になるでしょう。しかしログの量は多くなればなるほど、それはサイトにとって重要な「宝」となります。これを活用しないのはまさに「持ち腐れ」となってしまいますから、AIを活用することがより重要となってくるでしょう。
AIはすべての作業を自動化することができます。つまり運用を恒常化でき、かつ個人のスキルに依存せず日々の最適化が可能になるのです。

「表記ゆれ辞書」をAIが自動生成

次に、AIを活用した機能の実例として、「goo サーチソリューション」における「表記ゆれ対応の自動化」について解説します。

表記ゆれとは、同一の商品を探しているにもかかわらず、検索窓に入力する単語がユーザーごとにバラバラな状態を指します。例えば、「カバン」を「かばん」「鞄」「バッグ」「ばっぐ」「bag」「リュック」といった異なる単語で入力するようなケースです。

表記ゆれに対応できていないサイト内検索エンジンは、表記ゆれが発生した際に、本来表示すべき商品が表示されない状態(ゼロ件ヒット)が発生し、ユーザーの離脱を招きます。そのため、表記ゆれへの対応は必須なのですが、表記ゆれのパターンは膨大で、新しいパターンが次々と発生するため、商品数が多いECサイトだと手作業では対策が追いつきません。その結果、表記ゆれが放置され、多くの機会損失が発生します。

一方、「goo サーチソリューション」は、AIを活用して表記ゆれへの対応を自動化しています。これはNTT研究所の技術を活用したもので、ユーザーが入力した検索クエリと行動ログから、どのような表記ゆれが発生しているのかをAIが解析しているのです。その表記ゆれのパターンから、「表記ゆれ辞書」を生成します。この辞書を活用することで、先ほど「カバン」で例に挙げたような表記ゆれを吸収することができます。さらに、弊社が運営しているポータルサイト「goo」でもログから生成した膨大な量の表記ゆれ辞書を持っていますから、これを組み合わせることで表記ゆれ対応の精度を高めることができます。

なお、「goo サーチソリューション」のAIが「表記ゆれ辞書」を自動生成するロジックは、記事では公開できないため、詳細を知りたい方は弊社にお問い合わせください。

人力では不可能な施策をAIで実行し、CX向上へ

ここまで解説してきたように、サイト内検索エンジンにAIを活用すると、「検索結果の自動最適化」や「表記ゆれ対応の自動化」、さらにはパーソナライズ化や精度の高いレコメンド、対話型のチャットボットなどが実現できます。

それらはすべて、ECサイトの顧客体験(CX)の向上に寄与します。CXが高まれば、購入率やリピート率の向上が期待でき、ECサイトの売上拡大につながるでしょう。

もちろん、AIは完璧ではありません。検索結果が100%思い通りに改善されるとは限りませんし、内容によっては手作業で運用した方が早い場合もあります。
それでも、AIを活用のメリットは大きいと言えます。何故なら人力では手が回らない運用を実行できるようになり、それまで取りこぼしていたニーズをカバーできるからです。

例えば、表記ゆれへの対応は、商品数が多いECサイトでは手作業(人力)での運用には限界があるのではないでしょうか。サイト内検索エンジンにAIを活用すると、手作業では対応しきれなかった範囲まで表記ゆれを吸収できます。その結果、ECサイトの利用者は、サイト内で探している商品を見つけやすくなり、ユーザーはストレスなく買い物をすることができます。そのことが、ECサイトからの離脱者を減らすことにつながります。

対応すべき範囲は、目に見えるところだけではありません。人手で対応できている範囲が全体の中でどのくらいなのかを考えてみるのも、良いかもしれません。

AIを活用すると「ユーザーの本音」を知ることができる

AIを活用するメリットとして、検索結果を最適化する際に「人間による恣意的な判断を排除できる」という点もあります。

検索結果を目視で確認し、手作業でチューニングすれば、ある種の安心感は得られるかもしれません。しかし、その方法では担当者の知識や経験、好みなどに検索結果が左右されます。属人的であり、かつ「売り手目線」で検索結果が決まります。

一方、AIが検索結果をチューニングすると、徹底した「ユーザー目線」で検索結果が決まります。検索クエリは、ユーザーが探している商品が言語化されたものです。ユーザーが検索した瞬間のニーズは、検索クエリにダイレクトに反映されます。そして、ECサイトの行動ログには、商品を探し回っているユーザーの行動心理が刻まれています。ECサイトに蓄積された検索クエリや行動データを解析することは、ユーザーの本音を聞き取る作業そのものなのです。

手作業による「売り手目線」で考えられた検索結果と、ログ(検索クエリや行動データ)からAIが導き出した「ユーザー目線」の検索結果では、どちらが売り上げにつながりやすいでしょうか。

弊社は「ユーザー目線」の検索結果を出すことが、顧客体験(CX)の向上に寄与すると考えています。そして、CXが向上すれば、ユーザーはそのECサイトのファン(リピーター)になり、結果としてECサイトの売り上げも伸びていく。そういった思想にもとづいて「goo サーチソリューション」にAIを活用しています。

しかし、EC事業者さんが「売りたい商品」があることも事実。そういったニーズにもお応えできる仕組みを取り入れておりますので、その点はご安心ください。

NTTレゾナントの取り組み ~NTT研究所の技術を活用したソリューション~

最後に、弊社が取り組んでいるAI研究や技術開発についてお伝えします。弊社は2000年代の半ばから、AIの研究開発に取り組んできました。当時は「データマイニング」や「ビックデータ」と言われていた時代です。ポータルサイト「goo」で蓄積したログをAI学習に活用しているほか、Q&Aサービス「教えて!goo」の3000万件に上るQAデータの形態素解析(自然言語を品詞分解すること)にも取り組んでいます。2020年には研究開発の成果として、人工知能分野における国際会議「AAAI(Association for the Advancement of Artificial Intelligence)」や「IJCAI(International Joint Conference on Artificial Intelligence)」に採録された実績があります。こうした研究をベースに、AIを活用したサイト内検索、「goo サーチソリューション」を製品化した経緯があります。

「goo サーチソリューション」以外にも、NTT研究所の技術をはじめ、AIなどさまざまな最新技術を活用したソリューションをご提供しています。例えば、レコメンドエンジンやチャットボットです。

レコメンドエンジンは、サイトのログや、ユーザーのデモグラフィックデータなどを解析してユーザーごとに表示結果を出し分けます。さらに、時間帯や場所、検索クエリのトレンドなど、さまざまなパラメータを考慮することで、ユーザーにとって最適なコンテンツを表示します。ちなみに、弊社のレコメンドエンジンは、月間数千万セッションの大手サイトにも導入されており、月間約300億インプレッションのレコメンドを処理している実績もあります。

また、AIを搭載した対話型のチャットボットも製品化しています。あらかじめ決められたシナリオに沿って定型文を返答するだけではありません。ディープラーニングによって言葉の意味や文脈、さらにはユーザーの感情もAIが理解し、対話形式でユーザーとコミュニケーションをとることが可能です。言葉の表記ゆれを吸収するほか、「◯◯円以下」といった、あいまいな言葉の意味もAIが理解します。

このように、NTTレゾナントはAIの最新技術やトレンドにキャッチアップし、「goo サーチソリューション」を含めてAIを活用した各種ソリューションの開発を進めています。ECサイトやウェブサイトへのAI活用に興味がある方は、お気軽にご相談ください。

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