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ECサイトのUXが変わる、新たな直感UI「音声検索」がもたらす新しい買い物のカタチ

「人気の黒いTシャツが欲しい」

スマホでECサイトを開き、音声検索ボタンを押しながらこう話しかけると、黒いTシャツが人気順で表示される──。こうした音声による検索は、すでに国内のECサイトで使われ始めています。

ECサイトに音声検索を活用することは、遠い未来の話ではありません。実用化している例は日本では少ないですが、フリック入力に不慣れな高齢の顧客が多い企業を中心に、音声検索への期待が高まっています。

音声検索をECサイトに導入すると、オンラインの買い物はどのように変わるのでしょうか。音声検索の仕組みや、実用化の事例を踏まえ、ECサイトにおける音声検索の可能性を考察します。

目次

ECサイトの音声検索はすでに実用段階

ECサイトの音声検索は、すでに実用化の段階にあります。大手オークションサイト「モバオク」は、弊社が提供している検索エンジン「goo Search Solution」の音声検索機能を2019年7月から導入しています(※1)。

※1 2021年3月現在、音声検索機能はAndroidアプリのみで使用可能

「モバオク」の検索窓の右端にあるマイクのアイコンをタップすると、音声検索アシスタントが立ち上がります。音声検索ボタンを押しながら探したい商品についてしゃべると、検索条件がいくつか表示され、検索条件をタップすると検索結果(商品)が表示される仕組みです。

音声検索はチャットのようなUIで、会話形式で商品検索を行う。

検索結果の「並び順(ソート)」や「絞り込み条件(ファセット情報)」も、音声認識技術によって処理しています。例えば、「送料無料で、価格が安い新品の腕時計が欲しい」と話しかけると、腕時計を「送料無料」「新品」の条件で絞り込み、さらに、価格が安い順に検索結果を表示します。

ユーザーの検索意図を理解し、検索結果を最適化するため、ユーザーは欲しい商品を直感的に探すことができます。

並び順や絞り込み条件を反映した検索結果が表示される

音声検索の仕組みとは?

音声検索はどのようなロジックで動いているのか、「goo Search Solution」の音声検索機能に沿って解説します。

基本的な仕組みは、ユーザーが発した音声(自然言語)をアプリ側でテキスト化し、テキスト情報を自然言語処理技術で解析し、適切な商品を検索結果に表示します。

通常、ユーザーが発した言葉をそのままテキストに変換して検索すると、適切な検索結果になりません。ユーザーが発した言葉の中から、検索に必要な単語のみを抽出し、検索エンジンにリクエストする必要があります。

冒頭の「人気の黒いTシャツが欲しい」という言葉で検索する場合、まずは文章の品詞分解を行います。そして、商品の特徴を表す単語(固有表現)である「黒い」と「Tシャツ」を検索に必要な単語として抽出。ECサイトの商品マスタに登録されている文章やタグなどを参照し、該当する商品を検索結果の候補に選びます。

さらに、「人気」という言葉の意味をAIが理解し、売上高や販売個数などが多い商品を上位に表示します。

世界ではモバイルユーザーの27%が音声検索を利用

Googleが運営しているマーケティングデータに関する情報サイト「Think with Google」によると、世界のオンライン人口の27%がモバイルで音声検索を使っているというデータを公表しています(※2)。オンラインショッピングで音声検索が使われる割合に関するデータは残念ながら見あたりませんでしたが、この数字は音声検索の利用率を知る目安になるでしょう。

※2 出典:「Think with Google」より

「音声検索」は高齢者などの利用を想定

ECサイトの音声検索は、実生活のどのようなシーンで使われるでしょうか。

音声検索はキーワードを手動で入力する必要がないため、スマホを片手で操作しているときに便利です。ただ、人前で音声検索を使うと探している商品が周囲に知られてしまうため、ECサイトの音声検索は、自宅などプライベートな空間で使われやすいと考えられます。

特に日本人は、街中や店内など人前でスマホに話しかけることに抵抗感を持つ人が多いのではないでしょうか。そのため、自宅での食事中など、プライベートな空間で片手がふさがっているときに使われやすいでしょう。

また、日本では、高齢者をメインターゲットにした通販会社が音声検索に期待を寄せているようです。フリック入力に不慣れで、老眼で細かい文字が見えにくい高齢者にとって、スマホやタブレットでECサイトを利用する際は音声検索の方がフリック入力よりも便利かもしれません。実際、健康食品の通販会社など、高齢者の顧客が多い企業から「goo Search Solution」の音声検索機能に対する問い合わせをいただいています。

現時点では、高齢者が実際に音声検索を使うかどうかは未知数です。ただ、高齢化率が高い日本では、今後、音声検索がオンラインショッピングにおける商品検索の重要な役割を果たす可能性は大いにあるでしょう。

スマートスピーカーの普及が鍵に

ECサイトの音声検索は自宅で使われやすいと仮定した場合、音声検索が浸透するか否かはスマートスピーカーの普及もカギを握りそうです。

スマートスピーカーは天気やニュースの検索、予定の確認、動画や音楽の再生など、買い物以外で使われることが多いでしょう。しかし今後、ブラウザを搭載したディスプレイ付きのスマートスピーカーが普及すれば、ブラウザを立ち上げてECサイトにアクセスし、サイト内検索を行って商品を購入するまで、すべての工程を音声で行うことが一般的になるかもしれません。

日本におけるスマートスピーカーの世帯所有率は、総務省の調査によると2019年時点で15.6%でした。ただ、所有していても回答者が使っていないケースが半数以上を占めており、自宅で所有し、かつ利用していると答えた割合は7.5%にとどまっています。(※3)

※3 出典:総務省情報通信政策研究所「令和元年度 情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査」P.69

日本のスマートスピーカーの世帯所有率は、米国や中国など海外よりも低いですが、ITやECのトレンドは米国や中国より数年遅れで日本にやってくることも多いため、日本でもこれから音声検索が普及する可能性があります。スマートスピーカーの普及の動向にも注視しておきましょう。

実店舗の接客に音声検索を活用

音声検索は実店舗の接客に活用することもできます。具体的な方法を「goo Search Solution」の音声検索機能を踏まえて紹介します。

ホームセンターの接客に音声検索を活用した場合のケーススタディーです。

ホームセンターに来店した顧客が「50センチくらいのプランターを、2000円以下で買いたい」と店員に聞いたとしましょう。店員は音声検索機能を備えたタブレット端末を携帯し、インカムなどを使って顧客が話した言葉で音声検索を行います。すると、店舗の在庫やPOSと連携した商品データベースの中から「プランター」の一覧を抽出した上で、「50センチくらい」「2000円以下」という絞り込み条件に該当する商品を表示します。

小売店を訪れた顧客が、商品の場所を店員に聞くことはよくあります。その際、顧客は商品名や型番ではなく、商品の特徴を店員に伝えることが多いでしょう。店員が音声検索を活用することで、顧客が探している商品をスムーズに探し、適切な商品を提案できます。

店員が使う音声検索エンジンをECサイトの商品データベースにも連携すれば、店頭でECサイトの商品を紹介することも可能になります。

多様な検索ニーズに対応するため、商品検索の選択肢を増やす

音声検索は、「片手でスマホを操作したい」「フリック入力が苦手」「細かい文字が見えない」「検索に使うキーワードが思いつかない」といったユーザーにとって、直感的に商品を探せるため便利です。新型コロナの影響でECの利用者の裾野が広がり、オンラインで買い物をするシニア層も増えています。サイト内検索に音声検索機能を実装し、商品を探す方法の選択肢を増やすことは、より多くの顧客から支持されるECサイトを作ることにつながるのではないでしょうか。

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