クッキーレスで自社ECサイトの運用はどう変わる?マーケティングへの影響と対策を解説
Webサイトの閲覧履歴などをブラウザに保存するCookie(クッキー)を、マーケティングなどに使用しないことを意味する「クッキーレス」が日本でも本格的に広がり始めました。
プライバシー保護などの観点から主要ブラウザがクッキーをブロックするようになっていることに加え、クッキーの使用に関する法整備が国内外で進んでいるためです。
今後、リターゲティング広告が行いにくくなるなど、自社ECサイトのマーケティングにも影響が出ることは間違いありません。
クッキーレスで自社ECサイトの運用はどのように変わるのでしょうか。
本稿ではまず、クッキーの仕組みやクッキーレスが進んでいる背景について解説します。その後、クッキーレスによって生じる自社ECサイトのマーケティングへの影響と、その対策について解説しますので、目的に合わせて読み進めてください。
【クッキーの仕組みとクッキーレスが進んでいる背景】
クッキーレスとは?
クッキー(Cookie)の仕組みと用途
「ファーストパーティークッキー」と「サードパーティークッキー」の違いとは?
クッキーレスが進んでいる理由はプライバシー保護
【自社ECサイトのマーケティングへの影響と対策】
クッキーレスの影響が大きいのはオンライン広告
クッキーレス時代に必要な自社ECサイトの対策
コンバージョン率アップの施策が一層重要に
goo Search Solutionによるコンバージョン率アップの施策
まとめ
クッキーレスとは?
クッキーレス(Cookie less)とは、Webサイトの閲覧履歴や入力履歴などをブラウザに保存するクッキーを、デジタルマーケティングなどに使わないことを意味します。
後ほど詳しく解説しますが、クッキーレスによってリターゲティング広告が行いにくくなるほか、デジタル広告の効果測定の精度が下がるなど、自社ECサイトの運営においてもさまざまな課題が発生する可能性があります。
クッキー(Cookie)の仕組みと用途
クッキーとは、Webブラウザを利用したユーザーの行動履歴を、一時的にブラウザ上に保存しておく仕組みです。例えば、ECサイトのログインIDとパスワードをブラウザに保存し、ECサイトを再訪問した際にID・パスワードを入力しなくてもログインできるようにするなど、さまざまな用途でクッキーが使用されています。
クッキーの仕組みについて、ECサイトを例に挙げて解説します。
ユーザーがECサイトの商品ページを閲覧すると、その閲覧履歴を記録したデータがWebサイトのサーバーからブラウザへと送信されます。このときに送信されるデータがクッキーです。
クッキーはブラウザ上に保存されます。ユーザーが同じブラウザを使い、再び同じWebサイトを訪問すると、今度はブラウザからWebサイトのサーバーへとクッキーが送られます。
これにより、そのユーザーの過去の閲覧履歴にもとづいて、ECサイトのコンテンツを表示することが可能になります。
自社ECサイトにおけるクッキーの用途
クッキーは自社ECサイトのさまざまな機能に使用されています。用途の一例として次のようなものがあります。なお、これらの用途に必ずクッキーが使用されているとは限りません。機能を実現する手段の1つとして、クッキーが使われている場合があると理解してください。
ログイン状態の保持:ユーザーがECサイトにログインした状態でブラウザを閉じ、再度アクセスしたときに、IDやパスワードを入力し直さなくてもログインできる。
カート投入商品の保存:ユーザーがカートに入れた商品を、カートの中に保存しておく。
検索キーワードの保存:ユーザーが検索窓に入力したキーワードを記憶し、サジェストワードとして使用する。
コンテンツのレコメンド:ユーザーの購入履歴や閲覧履歴にもとづいて、関連するコンテンツをレコメンドする。
アクセス解析:ユーザーがアクセスしたページや離脱したページ、クリックしたバナーなどの行動履歴を把握する。
リターゲティング広告:Webサイトにアクセスしたユーザーに対して、別のWebサイトで自社商品の広告を表示する。
ターゲティング広告:Web上でのサイト閲覧履歴などにもとづいて、そのユーザーに関連性の高い広告を表示する。
「ファーストパーティークッキー」と「サードパーティークッキー」の違いとは?
クッキーは主に2種類あり、クッキーを発行する主体によって「ファーストパーティークッキー」と「サードパーティークッキー」に分類されます。
ファーストパーティークッキーとは?
「ファーストパーティークッキー」とは、ユーザーがアクセスしたWebサイトが発行したクッキーです。自社ECサイトの用途では「ログイン状態の保持」「カート投入商品の保存」「検索キーワードの保存」「コンテンツのレコメンド」「アクセス解析」などに使われます。
サードパーティークッキーとは?
「サードパーティークッキー」とは、ユーザーがアクセスしたWebサイト以外のWebサイト(ドメイン)が発行したクッキーです。例えば、Webサイトにアドネットワークが使われている場合、そこで表示される「ターゲティング広告」や「リターゲティング広告」などにサードパーティークッキーが使われていることがあります。
クッキーレスが進んでいる理由はプライバシー保護
クッキーレスが広がっている理由は、クッキーの情報(Web上での行動履歴など)を本人の許可を取らずにマーケティングなどに活用することは、プライバシー保護の観点から問題があるという考え方が主流になっているためです。
特に問題視されているのは、ユーザーの行動履歴を第三者に提供するサードパーティークッキーです。すでに主要なブラウザの一部はサードパーティークッキーへの対策を講じており、例えば「Safari」はデフォルト設定でサードパーティークッキーをブロックしています。また、「Chrome」も今後サードパーティークッキーを段階的に廃止する方針を示しています。
クッキーの使用に関する法整備も国内外で進んでおり、例えば欧州のGDPR(EU一般データ保護規則)ではクッキーを使用する際に本人の承諾を取るよう定めています。
また、日本でも電気通信事業法の改正案(2023年6月施行予定)にクッキー規制が盛り込まれています。
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