導入事例

導入事例トップ

BtoB向けEC、アプリ、デジタルコンテンツ配信事業者まで、幅広くご利用いただいています。

人気のインタビュー

ケーススタディ

資料ダウンロード 導入相談

サイト内検索のAIに対する“5つの誤解” ベンダー選びに失敗しないための正しい知識を解説

2023年2月14日

サイト内検索エンジンに人工知能(AI)を活用すると、人の手による運用が不要になり業務効率が高まるほか、AIならではの検索結果の最適化によって優れた検索UXを実現することができます。そういったメリットがあるにも関わらず、AIに対する理解が不十分な人の中には「AIにはデメリットが多いから手動で運用した方が良い」と誤解している方もいるようです。

よくある誤解として、次の5つが挙げられます。

1.AIは学習期間が必要なので、成果が出るまで時間がかかる
2.AIは学習を続けていくと、いずれ成長が止まってしまう
3.AIは融通が利かないため、EC事業者側で検索結果をコントロールできない
4.検索エンジンベンダーはAIに任せきりで、人によるサポートを行ってくれない
5.AIのロジックはブラックボックスだから、サイト内検索を運用してもノウハウが貯まらない

これらはすべて誤解です。本稿では、サイト内検索エンジンのAIにまつわる5つの誤解について、AI搭載型のサイト内検索エンジン「goo Search Solution」の機能を踏まえて正しい情報をお伝えします。サイト内検索エンジンの新規導入やリプレイスを検討している方は、検索エンジンベンダーの選定で失敗しないために正しい知識を身につけてください。

【誤解①】AIの学習期間が必要なので、成果が出るまで時間がかかる

【事実】サイト内検索エンジンを実装する際に開発と同時進行でログの学習を行うことで、リリース直後からECサイト個別の「表記ゆれ辞書」を使えるため、早期に成果が出る

AIを活用したサイト内検索エンジンに対する1つ目の誤解は、「AIの学習期間が必要なので、成果が出るまで時間がかかる」というもの。特に、表記ゆれを吸収するために必要な「表記ゆれ辞書」がリリース後すぐには効果を発揮せず、0件ヒット削減の効果が出るまで時間がかかると思っている方もいるようです。しかし、それは誤解です。gSS導入サイトの成功事例も踏まえ、リリース後すぐに成果が出る理由を解説します。

ECサイトで売上を伸ばすには0件ヒット削減のための「表記ゆれ辞書」が必要

ECサイトにサイト内検索エンジンを導入し、売上アップなどの成果を出すには、キーワード検索における「0件ヒット」を削減することが重要になります。0件ヒットとは、キーワード検索の結果に商品が1件も表示されない状態のことです。

0件ヒットが発生する原因の1つは、サイト内検索エンジンが「表記ゆれ」に対応できていないことにあります。表記ゆれとは、同じ商品を探しているにも関わらず検索窓に入力する単語が異なることを指します。例えば、「ゴミ箱」を検索する際に「ごみ箱」「くずかご」「ダストボックス」といった単語が使われるのが表記ゆれです。こうした表記ゆれが発生した際に、サイト内検索エンジンが表記ゆれを吸収できなければ、「ごみ箱」「くずかご」「ダストボックス」で検索しても「ゴミ箱」が表示されず、本来売れるはずだった商品を売り逃してしまうのです。

キーワード検索で発生した表記ゆれを吸収し、検索結果に表示されるべき商品をヒットさせるには「表記ゆれ辞書」を生成することが必要です。

表記ゆれ辞書とは、サイト内検索で発生する表記ゆれのパターンを登録したデータベース(辞書)のこと。例えば、先ほど例に挙げた「ごみ箱」「くずかご」「ダストボックス」という言葉が「ゴミ箱」と同じ意味であることを登録しておけば、どの言葉で検索しても検索結果に商品が表示され、0件ヒットを防ぐことができます。

表記ゆれ辞書の学習を開発と同時進行で行うためリリース直後から成果が出る

表記ゆれ辞書を生成する方法はさまざまですが、gSSではECサイトのログ(検索クエリや検索実行後の行動など)をAIが分析し、「ゴミ箱」「ごみ箱」「くずかご」「ダストボックス」はすべて同じ商品を探していると学習して表記ゆれの辞書を自動で生成します。

表記ゆれ辞書を生成するには、AIがログを学習する期間が必要であることは事実です。しかし、サイト内検索エンジンを実装するための開発期間中にAIの学習を同時進行で行うことで、リリースまでに一定程度の学習が完了するため、リリース直後から表記ゆれ辞書を使うことができます。
そのため、リリース直後から0件ヒット削減し検索結果の改善の成果が早期に期待できるのです。

130万語収録「goo」の表記ゆれ辞書も使用できる

gSS導入ECサイトで個別に生成される表記ゆれ辞書とは別に、gSSでは約130万語を収録した既製の表記ゆれ辞書も提供しています。NTTグループが20年以上運営しているポータルサイト「goo」のログをAIが学習し、膨大なパターンの表記ゆれを蓄積した辞書です。

gooの表記ゆれ辞書は、一般的に使用される用語はほぼ網羅されており、このgSSの表記ゆれ辞書とECサイトで個別に生成される表記ゆれ辞書を併用することで、サイト内検索エンジンのリリース直後から表記ゆれに対応することが可能となり、高い成果を発揮できるのです。

実際、gSS導入直後から0件ヒット削減に成功し、売上増加につながった事例は数多くあります。例えば、PC・家電を中心としたECサイト「NTT-X Store」では、AIの学習期間を含めて約1ヶ月で、サイト内検索経由の売上高が15%増加するという成果が見られました。こうした実績からも、リリース後すぐに成果が出ることを実感していただけるのではないでしょうか。

従来の検索エンジンと新しい検索エンジン(gSS)でABテストをした結果、リリース1ヶ月後には検索経由の売上高に15%の差が出た

詳細はこちら
【導入事例】注文件数15%アップ! 17期連続増収を続けるECサイトを支えるシステムの秘密

【誤解2】AIは学習を続けていくと、いずれ成長が止まってしまう

【事実】サイト内検索を使う人がいる限りAIの学習に終わりはなく、AIは成長し続ける

AIに対する2つ目の誤解は、AIは学習を続けるといずれ成長が止まってしまう(学習効果がなくなる)というもの。こうした認識は正しくありません。

例えばgSSでは、ECサイトのログをAIが学習することで検索結果を最適化します。ECサイトで使われた検索クエリや、検索実行後の行動データをAIが解析し、「特定のキーワードを使用したユーザーが購入する確率の高い商品」などを分析して売上が最大化するように検索結果を最適化するのです。

検索クエリは、日々新しいワードが使われていますし、検索実行後のユーザーの行動ログも変化していきます。ECサイトの訪問者がサイト内検索を使う限り、今この瞬間もログは貯まり続けます。検索結果の並び順を最適化する上で、AIの学習に終わりはないのです。

また、表記ゆれ辞書の生成にもゴールはありません。誤字やスペルミスなども含めれば、表記ゆれのパターンは膨大です。例えば、先ほども例に挙げた「ゴミ箱」の表記ゆれのパターンには次のようなものがあります。おそらく、みなさんが想像もつかなかったようなものもあるのではないでしょうか。

表記ゆれ辞書を作る場合、単語の登録数は学習初期の方が多く、ある程度の期間が過ぎると登録数が徐々に減っていくのは事実です。しかし、どれだけ長く学習を続けたとしても、成長が完全に止まってしまうことはありません。むしろ、学習期間が長くなるほど表記ゆれ辞書の単語数は増えますから、長く使い続けるほどゼロ件ヒットの削減効果は高くなります。

【誤解3】AIは融通が利かないため、EC事業者側で検索結果をコントロールできない

【事実】検索ロジックは任意に設計できる。また、上位表示する商品を管理画面で切り替えることも可能

AIを使ったサイト内検索エンジンの検索結果は、AIが勝手に決めてしまい、導入企業が検索結果をコントロールできないと思っている方もいるかもしれませが、それも誤解です。AIを活用した自動運用と手動設定を併用することで、検索結果をきめ細かくコントロールすることができます。

そもそもAIは、人間が決めたロジックに従って検索結果を最適化するものです。gSSは要件定義の段階で、導入企業の要望に合わせて検索順位のロジックを設計しますから、検索結果の並び順は導入企業ごとの要望を反映してカスタマイズすることが可能です。

さらに、運用を開始した後も、検索結果の上位に表示する商品をgSSの管理画面で設定することができます。「○月○日から、特定のブランドを上位に表示したい」「任意の商品を検索結果から除外したい」「任意のキーワードで検索したときに、特定の商品を優先的に出したい」といった設定も可能です。

検索結果の上位に出したい商品は、企業ごとにさまざまです。売れやすいセール商品を上位に出したい企業もあれば、セール商品は利益率が低いため上位に出したくないと考える企業もあります。新商品を上位に表示したい企業がある一方で、ロングセラー商品を上位表示したいと考える企業もあるでしょう。gSSは、こうした導入企業ごとの戦略に合わせて、検索結果のロジックを変更することが可能です。

【誤解4】検索エンジンベンダーはAIに任せきりで、人によるサポートを行ってくれない

【事実】要件定義からリリース後の運用まで、エンジニアや営業担当者がサポート

これもよくある誤解なのですが、gSSはAIを使ったサイト内検索エンジンであるがゆえに、「AIに任せきりで、人間によるサポートを行ってくれない」と勘違いされることがあります。

しかし実際は、gSSの要件定義からリリース後の運用まで、エンジニアや営業担当が導入企業をサポートします。要件定義においては、プロジェクトマネージャーやエンジニア、営業担当者などがチームを組み、導入企業が実現したいことを丁寧にヒアリングします。さらに運用を開始した後は、導入企業に対して定期的にヒアリングし、想定した検索結果が得られているか確認するとともに、必要に応じて改善策を提案します。

なお、サイト内検索エンジンをgSSにリプレイスする際の流れや、導入企業と弊社の役割分担は次のようになっています。より詳しい流れは、過去の記事で解説していますのでそちらも参考にしてください。

サイト内検索のリプレイスに!導入方法と注意点を図版で解説

【誤解5】AIのロジックはブラックボックスだから、サイト内検索を運用してもノウハウが貯まらない

【事実】オリジナルの表記ゆれ辞書は資産になる。また、「購入につながりやすい検索ロジック」などのノウハウも貯まる

5つ目の誤解は、「AIの検索ロジックはブラックボックスであるため、導入企業はサイト内検索エンジンの運用ノウハウが貯まらない」というもの。たしかにAIのプログラムは非公開ですので、ブラックボックスの部分があることは事実です。しかし、「どのようなロジックを組むか(=どのような検索順位にするか)」は、導入企業の要望を反映して設計します。ですから、どのような順位付けにすれば購入につながりやすいかといったノウハウは、導入企業に貯まっていきます。

また、導入サイトのログをAIが学習して生成した表記ゆれ辞書は、導入企業にしか使えないオリジナルのもの。サイト内検索のUXを改善するための武器であり、導入企業の資産になります。

昨今のAI技術開発の流れを踏まえると、サイト内検索エンジンに限らず、今後さまざまなシステムにAIが活用されていくことは間違いありません。今後は「AIを使いこなすスキル」がマーケターやEC担当者にとって重要なスキルになるでしょう。そういった時代に備える意味でも、今からAI搭載型のサイト内検索エンジンの運用に慣れておき、AIを使いこなすスキルを身につけておくことに意味があるのではないでしょうか。

いち早くAI搭載型サイト内検索エンジンを使うことが競争優位性につながる

サイト内検索のAIに対する5つの誤解について、正しい知識をお伝えしました。最後に、AI搭載型のサイト内検索エンジンを使うメリットを解説し、本稿を終えたいと思います。

AI搭載型のサイト内検索エンジンを使うメリットの1つは、運用の手間がかからないこと。gSSはAIがログ学習を通じて検索結果を自動的に最適化しますし、表記ゆれ辞書もAIが自動生成するため、人の手による運用は必要ありません。
実際に導入企業へ使い勝手を聞いてみると、「手動チューニングにかかる業務負担が減ったので、他の施策に時間をかけることができるようになった」といった業務効率性の改善も評価ポイントに上がりました。

日本は今後、労働人口が減少していくため、多くの企業にとって労働生産性の向上が課題になるでしょう。業務をできるだけ省人化しつつ効率を上げるためにも、AIを活用してサイト内検索の運用を自動化することの重要性は一層高まっていくはずです。

AI搭載型のサイト内検索エンジンは、優れた検索UXを実現できるという意味でも十分なメリットがあります。その上で、AIは学習期間が長くなるほど表記ゆれ辞書の内容が充実するので、使い続けることで検索UXの向上が期待できます。つまり、AI型のサイト内検索エンジンを競合に先んじて導入し、AIの学習を開始すれば、サイト内検索の利便性という点において競合よりも先を走り続けられるのです。EC事業における競争優位性を作り出すことができるでしょう。

お気軽にお問合せください

ご要望に合わせたご提案をさせていただきます。
サービスのご説明をご要望の場合もお問い合わせください。
オンラインミーティングにて対応させていただきます。

資料のダウンロード お問い合わせ