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UI/UXデザインで考える、これからの自社ECサイトに必要な買い物体験とは?

2023年9月21日

4.UXデザインの方法論とUIデザインの具体例

──ECサイトの新規立ち上げやリニューアルを行う際に、UXデザインでは具体的にどのようなことを行うのでしょうか。

長尾さん:UXデザインで行うことは多岐にわたりますが、外せないポイントは、ECサイトを訪れるお客さまの買い物のストーリーについて仮説を立てて、そのストーリーに沿って「どのような買い物体験を提供したいのか」を考えることです。

まず、ECサイトの流入データなどを分析し、そのような人たちがサイトを訪れているのか、目的や心理状態などの仮説を立てます。新規顧客が多いのか、それともリピーターが多いのか。指名買いの顕在層が多いのか、それとも欲しいものが具体的には決まっていない潜在層が多いのか。自家消費が多いのか、プレゼント需要が多いのか。流入キーワードやアクセスデータなどの分析結果にもとづいて、買い物のストーリーを読み解きます。

そして、そのストーリーを踏まえて、理想の買い物体験とはどのようなものかを考えます。企業として、見込み客や既存客にどのような態度変容を促したいのかなども整理し、それをECサイトの構造や機能などに落とし込んでいきます。

──ECサイトのUIデザインは、どのように行うのでしょうか。

長尾さん:ECサイトのUIデザインで行うことも多岐にわたるのですが、特に重要なポイントは「ユーザーを購入へと誘導するパーツの不便をなくす」ことです。

メニューバーや検索窓、絞り込み機能といった商品を探す機能のほか、カートボタンや会員登録フォーム、決済選択画面など、買い物の過程でユーザーが操作するパーツが使いにくいと、コンバージョン率が低下します。

改善策の一例は、スマホサイトのカートボタンなどの反応範囲を、指で押し間違えないサイズまで大きくすること。些細なことですが、これでクリック率が上がることも珍しくありません。

また、ナビゲーションメニューなどのテキストは、ユーザーが直感的に理解できる表現にすることも大切です。例えば、「期間限定のアイテムを見る」という文章にするのか、それとも「限定アイテム」という単語にするのか。そういった表現を変えるだけでクリック率が上がることもあるので、ABテストなども行いながらディテールにこだわることが重要です。

蒲澤さん:ECサイトにおいては、商品をカートに入れた状態でショップから離脱する「カゴ落ち」を防ぐことも大切です。離脱しやすい場所の1つは、会員登録の入力フォーム。特にスマホサイトは文字を入力しにくいので離脱しやすくなります。改善策としては、入力をサポートするEFO(入力フォーム最適化)や、ログイン不要のID決済を導入することが効果的です。

長尾さん:ユーザー視点でUIを設計するという観点では、消費者が使い慣れたECサイトのUIを参考にするのも1つの方法です。

例えば、アパレル業界であればZOZOTOWNやUNIQLOといった売上規模が業界トップクラスのECサイトは、利用者数が多いため、必然的にそのUIに慣れ親しんだ消費者の数も多くなります。

ユーザビリティとは本質的に「使い慣れている」ことが大きく影響しますから、ユーザーにとって使いやすいUIを作る方法論として、利用者数が多く標準化されているUIコンポーネントを使用していくことは間違いではないと思います。

なお、2000年代は、差別化するためにあえてスタンダードなUIを避けるECサイトもありました。しかし、近年はユーザーの不便をできるだけ排除するために、業界のスタンダードなUIを取り入れていくのが主流になっています。

UXデザインの方法論
ECサイトを訪れる顧客の買い物のストーリーについて仮説を立てて、そのストーリーに沿って「どのような買い物体験を提供したいのか」を考え、ECサイトの構造や機能などに落とし込む。

UIデザインの考え方
・購入導線の不便をなくす
・買い物の途中でユーザーが離脱しないようにする(カゴ落ち防止など)
・標準化されているUIコンポーネントを使用する

5.UI/UX視点で考えるECサイトの商品検索

──買い物の過程でユーザーがつまずかないようにするには、商品検索のUI/UXは、どのように設計すべきでしょうか。

長尾さん:ECサイトを訪れるユーザーの目的や心理状態によって、商品の探し方は異なりますので、できるだけ多くのユーザーの検索ニーズを満たす機能を実装することが大切だと思います。

例えば、買いたい商品が具体的に決まっているユーザーは、検索窓を使って指名検索で商品を探すことが多いでしょう。一方、欲しい商品が具体的に決まっていないユーザーは、特集ページなどのコンテンツを見ながら商品を探すでしょうし、検索窓を使うとしても「20代 レディース 秋冬」「父の日 ギフト 食べ物」といった漠然としたキーワードで検索すると思います。

このように、ユーザーの検索ニーズはさまざまですから、幅広いニーズをカバーできる検索機能を実装することが求められるのではないでしょうか。

具体的には、漠然としたキーワードでも商品がヒットするサイト内検索エンジンを導入したり、ユーザーがキーワードを考えなくても商品を探せるハッシュタグ検索を活用したりすることが考えられます。

──ハッシュタグ検索は、アパレル業界を中心にニーズが高まっていますね。

長尾さん:そうですね。弊社のクライアントからも、ECサイトにハッシュタグ検索を実装したいという要望をいただくことが増えました。特に商品数が多いECサイトは、ハッシュタグ検索を導入することで優れたUIを実現できると思います。

一方で、ハッシュタグ検索を全面に押し出しすぎると、タグ付けされていない商品への動線が弱くなることもあるため、お客さまの買い物のシナリオに合わせて検索機能を使い分けると良いでしょう。

ハッシュタグ検索の活用法やメリットなどについては、
サイト内検索サービス「goo search solution」のハッシュタグ機能で紹介しています
goo search solutionハッシュタグ機能

商品検索のUI/UXのポイント
ECサイトを訪れるユーザーの目的や心理状態によって、商品の探し方は異なるため、できるだけ多くのユーザーの検索ニーズを満たす機能を実装することが大切です。

例)漠然としたキーワードでも商品がヒットするサイト内検索エンジンを導入
  ユーザーがキーワードを考えなくても商品を探せるハッシュタグ検索を実装

6.これからのECサイトに求められるUI/UXとは?

──ここまでのお話も踏まえて、これからのEC市場において、自社ECサイトにはどのようなUI/UXが必要になると思いますか?

長尾さん:これからのECサイトには、企業と消費者が双方向のコミュニケーションを取れるUI/UXが必要になると考えています。

例えば、アパレルECであれば、消費者はInstagramのDMやコメントで商品のサイズ感や着用感などについて企業に質問する。ブランド側もSNSでの接客を通じて、消費者をECサイトへと誘導する。こうしたインタラクティブなコミュニケーションはEC業界ですでに広がりつつありますが、今後はこの流れが加速していくと個人的には思っています。

蒲澤さん:数年単位で考えると、商品を掲載して販売するだけのECサイトは、徐々になくなっていくのかもしれません。

例えば、ストーリー性の強いD2Cブランドであれば、ブランドサイトに販売機能を実装し、ブランドメッセージや世界観を伝えながら商品を販売していく。あるいは出版社が運営しているWebメディアにEC機能を実装し、記事として紹介している商品をその場で購入できるようにする。

そして、消費者が商品について詳しく知りたいときは、SNSやチャット、ライブコマースなどを通じて企業に質問する。

今後は、このようにコンテンツマーケティングと双方向のコミュニケーションを融合したECサイトが増えていくと予想しています。商品を販売するだけのECサイトは、相対的に競争優位性が下がっていくかもしれません。

──ありがとうございます。それでは最後に、ECサイトの新規立ち上げやリニューアルを検討している企業に向けて、メッセージをお願いします。

長尾さん:繰り返しになりますが、ECサイトのUIデザインは「買い物の過程での不便を、どれだけ取り除けるか」に尽きます。そして、お客さまとの双方向のコミュニケーションを意識したUI/UXを取り入れることも重要になるでしょう。価値を発揮できるECサイトを作るために、この点を踏まえてECサイトの構築やリニューアルに取り組んでください。

これからのUI/UX

・企業と消費者が双方向のコミュニケーションを取れるUI/UXが必要になる
・商品を掲載して販売するだけのECサイトは、徐々になくなっていく可能性がある
・コンテンツマーケティングと双方向のコミュニケーションを融合したECサイトが
 増えていく

ハイジ・インターフェイス株式会社 公式HPはこちら

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執筆者:goo Search Solution編集部
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